http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179030
そんな中でガ然、一冊の存在が注目を集めている。自民党TPP対策委員長を務めた西川公也現TPP特別委員長が出版を予定しているとされる「TPPの真実」という本だ。政府がヒタ隠しにする交渉経過の中身が洗いざらい“暴露”されているのだから、大問題だ。「28章、約460ページに及ぶ大作で、西川議員がTPP対策委員長として携わった各国との交渉経緯が詳しく書かれている。日本側と各国の要人が接触した日付や関わった人が実名で登場。鶴岡氏をはじめ、交渉窓口となった省庁担当者が『政府対策本部人物』として顔写真入りの実名で紹介されているらしい。米国のフロマン氏と西川議員の面談も詳述されているほか、ニュージーランドとの乳製品輸入をめぐる交渉の生々しいやりとりもあるようで、“西川リークス”と呼ばれています」(永田町関係者)
「3章の中で、西川議員は『交渉の成否は農林水産関係の譲歩にかかっていた』とハッキリ書いているようです。政府・与党が交渉前に強調していた『守るべきものは守る』なんて大嘘だったわけで、実際、9章の見出しも『聖域見直しバリ会合』。14章の『オバマ来日と日米実質合意』では、『14年4月のオバマ大統領来日の1カ月程度前からアメリカは従来の原則論から譲歩すると水面下で打診してきていた』と明かしているらしい」(前出の関係者)
“西川リークス”ではこのほか、TPPを取材する大マスコミの記者がウイスキーを買ってきて、西川議員らと酒宴を開くことが「恒例化していた」と書いているらしい。何のことはない。政府も与党も大マスコミもグルとなってTPPを推し進めていたのだ。
同社は8日、編集作業の遅れで出版日が未定となったことを明らかにしたが、“西川リークス”が安倍政権を吹っ飛ばす日も近いのではないか。
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なんと!西川TPP特別委員会委員長、問題のゲラは自分が書いたと認めています。国会マイクが切れてない中で、赤裸々に語っています。これで、これまでの国会での答弁が虚偽答弁ということになります。どこまでもウソだらけ。大問題です。 pic.twitter.com/IBbjuIwgQe
— 玉木雄一郎 (@tamakiyuichiro) 2016年4月8日
問題の著書「TPPの真実」のゲラの真否について、西川委員長自身が自ら執筆したと認めました。国会マイクの音声が切れていると思い油断して話をしています。国会答弁と明らかに矛盾。1時間10分30秒あたりから。https://t.co/nIOnI6EgHv
— 玉木雄一郎 (@tamakiyuichiro) 2016年4月8日
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TPP国会審議が、西川氏の出版問題などで紛糾し中断していることを見て、うんざりしている方も多いだろう。「そんな問題より早くTPPの中身や関連法案の議論」をしてよ、と思う方もいるかもしれない。しかしこの秘密問題は、決して西川氏の出版問題に矮小化してはいけない、まさにTPPの本質だ。
— 内田聖子/Shoko Uchida (@uchidashoko) 2016年4月8日
TPP交渉を5年以上現場で見てきた立場から言えば、TPPの秘密主義はこれまでの貿易交渉と比べても異常であり、各国の市民社会はその問題を徹底して批判してきた。過程は完全なブラックボックスで、出てきたテキストはこれまで米国が貿易交渉で使い回してきた「フォーマット」を少し変えただけ。
— 内田聖子/Shoko Uchida (@uchidashoko) 2016年4月8日
協定文は膨大で、抽象的でどのようにも取れる文言が非常に多い。それこそが米国の狙いで、後の「実施」プロセスでどのようにもできる要素が多い。だからこそ、野党が主張するように、なぜそうなったのかという経緯を知ることが、TPPそのものの審議や今後の国内対策を考える上で必要なのだ。
— 内田聖子/Shoko Uchida (@uchidashoko) 2016年4月8日
「保秘義務があるのでそれは言えない」と政府は言うが、「秘密」の定義も「秘密」。これでは審議不能だ。そして、にもかかわらず、交渉官でもない一議員の西川氏が交渉の経緯も含まれる内容の本を出版するという。この滅茶苦茶な状況について、はっきりさせない限りは審議はできない。
— 内田聖子/Shoko Uchida (@uchidashoko) 2016年4月8日
各国を見ても、署名からわずか3ヵ月、まだ本格的な批准審議が行われている国はほとんどない。日本では国会審議のまさに最中、米国では批准そのものが危ぶまれている状況の中で、交渉について本を出版しようとしている交渉官や議員がいる国など、他にない。その意味で、西川氏の「暴走」ぶりはすごい。
— 内田聖子/Shoko Uchida (@uchidashoko) 2016年4月8日
皮肉な話だが、西川氏の本の出版は、秘密主義を打ち破る最終兵器になるかもしれない。しかも日本に限らず他国の市民社会にとってもだ。どの国の官僚も議員もできないことをやるのだから。「日本では議員がこんな本を出して交渉経緯を明らかにした。私の国でなぜできないんだ?!」とみんな言うだろう。
— 内田聖子/Shoko Uchida (@uchidashoko) 2016年4月8日
甘利にもお粗末なお話です。TPPという売国条約の交渉過程を政府が必死に隠そうとしているのに、元農水相が交渉過程を暴露した本を出版しようとしているんですからね。それとも、西川リークスということで、西川議員が良心の呵責に耐えかねて暴露しようとしているのでしょうか?
とにかく元TPP大臣を早く国会に呼びましょう。