「権力の抑制的行使を踏み外している」 与党内からも厳しい声 日本学術会議人事介入
首相官邸による「独立組織」への人事介入は、今回が初めてではない。第2次安倍政権下でも検察庁や内閣法制局の人事に介入し、世論の反発を受けた。これまでは官房長官として批判をかわす答弁を繰り返していた菅義偉首相だが、今回は任命権者として矢面に立たされる形となる。与党からは政権発足時に記録した高支持率の低下を懸念する声も上がっている。
「人事に関しては総合的な判断があるから、全容を説明するのは難しいかもしれないが、できるだけ丁寧に説明していただきたい」。公明党の石井啓一幹事長は2日の記者会見で、日本学術会議の人事に関し政府に注文をつけた。公明党関係者からは「検察庁法や内閣法制局長官の時と一緒だ。権力を抑制的に行使するところを踏み外している」と厳しい声も上がっている。
菅政権は安倍政権からの「継承」を掲げるが、安倍政権は従来の慣例を変える強引な人事を行い世論の批判を受けたこともある。菅政権の誕生を歓迎していた公明党だったが、負の側面まで継承すれば政権発足時の高支持率に冷や水を浴びせかねないと懸念する。
学術会議候補者、「官邸が覆した」? 内閣府は「そのまま全員を上げた」
日本学術会議が新会員として推薦した候補者105人について、内閣府がそのまま首相官邸に上げていたことが2日、複数の政府関係者への取材で判明した。
人事の決裁は、内閣府日本学術会議事務局から内閣府人事課を経由して首相官邸に上げられる。政府関係者は「内閣府は『首相官邸側がいきなり覆した』と言っている。人選に関して内閣府が身分照会をかけることはなく、今回もそのまま推薦者全員を官邸に上げた」と指摘した。別の政府関係者は「事務方は今回、当事者能力はないから国会でも答弁のしようがない。官邸に聞いてくれ、となるだろう」と語った。
官邸、安倍政権時の16年にも学術会議人事介入 差し替え求め、事実上拒否
科学者の代表機関「日本学術会議」が推薦した新会員6人を菅義偉首相が任命しなかった問題に関連し、2016年の第23期の補充人事の際にも「学術会議が候補として挙げ、複数人が首相官邸側から事実上拒否された」と、同会議の複数の元幹部が毎日新聞の取材に明らかにした。官邸側の「人事介入」が第2次安倍晋三政権の際にもあったことになる。
【木許はるみ、近松仁太郎】
取材に応じた複数の幹部のうち、同会議元会長、広渡清吾・東京大名誉教授が実名で証言。自身が会長退任後の第23期後半、複数の会員が定年70歳を迎えたため補充が必要になり、学術会議が官邸側に新会員候補を伝えた。しかし、官邸側がこのうち複数人を認めず、候補者を差し替えるよう求めてきたという。学術会議側はこれに応じず、一部が欠員のままになった。
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以下ネットの反応。
菅内閣、大失敗。まず学者を敵にまわしてしまったからだ。排除の理由を明らかにしない/できない状況を自ら作ってしまったのも大失敗だ。反政権イデオロギー封殺のつもりが、もちろんそうとも明言できず、ただ言論封殺という暴挙の印象だけが、強く深く国民に刷り込まれた。早くも終わりだ。@sugawitter
— 木村知 (@kimuratomo) October 2, 2020
菅政権「いきなりつまずく」といって良い数字だと思う。
「#日本学術会議への人事介入に抗議する」 SNSで批判殺到 ツイート25万件超 https://t.co/yPHRReO2MV
— 清水 潔 (@NOSUKE0607) October 2, 2020
【首相が学問の自由に介入か?】
日本の科学者の代表機関「 #日本学術会議 」をめぐり、 #菅首相 が推薦された新会員候補105人のうち、6人の学者を任命していませんでした。推薦者が任命されないのは初めてのこと。「 #学問の自由 に対する介入ではないか」との批判が噴出しています。#news23 pic.twitter.com/CjKZPu4MRQ
— TBS NEWS (@tbs_news) October 1, 2020
ぶら下り会見に応じず、足早に立ち去る総理。何が法に基づいて対応だ🥵
安倍晋三から引き継いで異論を唱える6人を排除しただけだ。除外の理由なんて言える訳が無い。
正に民主主義の危機に直面している。学術会議の方々を始めとして、総力を挙げて阻止すべきだ😤#日本学術会議への人事介入に抗議する https://t.co/rMv61iyzvy— HIRO (@cooo55) October 2, 2020
政府は1日、「推薦者を首相が任命しなかったのは、現行制度になった04年度以降では初めて」などと説明していた。
官邸、安倍政権時の16年にも学術会議人事介入 差し替え求め、事実上拒否 - 毎日新聞 https://t.co/X5gK7CpftY
— 蓮池透 (@1955Toru) October 2, 2020
#統合デジタル取材センター の特ダネです。「2016年の第23期の補充人事の際にも『学術会議が候補として挙げ、複数人が首相官邸側から事実上拒否された』と、同会議の複数の元幹部が毎日新聞の取材に明らかにした」。やはりルーツは #安倍晋三政権 だったんですね。
https://t.co/2tUmHhwlf0— 齊藤信宏 (@nobusaitoh) October 2, 2020
どうしてこれが公表されなかったんだろう。学術会議側も、問題意識あるなら出せばいいものを。不思議なことが多すぎる。
この時の経緯も、公文書の開示請求するか、国会議員が出させるかすべき。→官邸、安倍政権時の16年にも学術会議人事介入 差し替え求め、事実上拒否 https://t.co/Rk2D63wZiI
— 木野龍逸 (Ryuichi KINO) (@kinoryuichi) October 2, 2020
「権力の抑制的行使を踏み外している」 与党内からも厳しい声 日本学術会議人事介入 - 毎日新聞
『これまでは官房長官として批判をかわす答弁を繰り返していた菅義偉首相だが、今回は任命権者として矢面に立たされる形となる』https://t.co/2JD8aaTozr:#日本学術会議への人事介入に抗議する
— 日本共産党⚙🌾 (@jcp_cc) October 2, 2020