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http://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/23346#more-23346
これを書いているのは、大阪ダブル選挙での松井知事、吉村新市長の当確会見中継から帰宅し、新聞やTV等の出口調査の結果や開票データの結果などに一通り目を通した、23日朝の6時過ぎです。橋下徹市長、松井知事誕生の前回のダブル選挙の時から、橋下維新の中継に関わってきたこともあって、僕の見てきた選挙戦に対する思いや、今後の大阪について思うことを、現場の生の声として書かせていただくことになりました。
投開票日の22日、当確が出た瞬間、大阪維新の会見現場は、シーンとしていました。
定例会見など、現場で取材にあたっていた僕も含めた報道関係者の多くは、橋下維新のことが嫌いな人が割合多いんです(笑)。それはそうですよ。これまで、一般の人が目や耳にするよりはるかに多く、彼らのめちゃくちゃさや理不尽さを眼前で、肌で、体感してるのですから。それに、選挙結果がどうなるか、それとなく事前に耳に入ってきていたのもあって、当確の瞬間、会見場は一切盛り上がっていませんでした。。。
振り返ってみると、安保法制への対案について橋下前市長が発言し始めたときから、大阪維新と官邸とのつながりがささやかれ出していました。その頃からです、安保法制反対運動一色の中で、おおさか維新はキッチリとこの選挙を見据え、しっかりと準備を始めていたのです。安保法制に対する反対運動はもちろん大切なことでしたが、準備段階からはるか先をリードしていた様子を僕は見ていました。
一方、自民党大阪府連は、有力な著名候補を確保することに躍起になりましたが、失敗。候補が決まったのは、選挙からほんの1ヶ月前といった状況でした。結果的には良い候補者が選ばれたとは思います。
市長候補だった柳本顕氏は3.11後の脱原発運動が大きく起きたとき、市民グループから、原発を推進する自民党議員でありながらも、満点を評された人物。その人柄に信頼を寄せられる希有な大阪市議会議員でした。栗原貴子氏も、あの強面の松井知事のいかつい答弁にも、全く気圧されることなく、厳しく追及をされる姿が印象的で、中々人目に触れない「大阪府議会」という現場で、良い仕事をされる議員さんだなと、僕には感じられました。
しかし、候補者の決定に余りにも時間がかかり過ぎた上、党内部の意見調整はというと、とても上手くいっているとは思えないもので、先の「都構想」の住民投票における「オール大阪」の共闘を崩してしまうほどの選挙戦術は、目にうつるもの、耳に聞こえてくるもの、ネガティブなものばかりでした。その中で府連会長の交代のタイミングも最悪。
党中央から応援に駆けつける大物といわれる議員のチョイスも多くが最悪でした。凄まじい破壊力を発揮した自民党のセンスのなさ。これ、僕が大げさに言っているのではなく、マジな話です。わざとやってんのちゃう?と疑いたくなるほどです。
業を煮やした二階総務会長の終盤での喝を入れる乱入来阪も、全くの時既に遅しでありました。顕著な例としては、僕自身の自宅の周りで古くから自民のポスターをかならず貼っていた家々の幾つかにさえ、ポスターは見えなかったことです。
その結果は、自民票が、市長、知事選ともに約4~5割も維新候補に流れたことにハッキリと現れたと思います。
橋下率いるおおさか維新は、その主張の相変わらずの無茶苦茶さは関係なしに、とにかく気迫、気合いの込もった演説を展開しました。「都構想」の住民投票における徹底した敗因の総括から、選挙期間開始前からの敗北エリアでの重点的な街宣活動。突っ込みどころは多くあることは勿論ですが、反対勢力より遥かに一丸となった選挙活動はしっかりと結果に結びつきました。
維新の党でのお家騒動は物ともせず9割の票固め。これは見事としか言いようがありません。「選挙は戦(いくさ)」「戦国時代なら殺しあい」と言いきる橋下代表の選挙に対する真剣勝負の姿勢、その気迫。「橋下さんやったら何かやってくれそうやん~」「難しい事いわれてもよう分からへんけど~」。これが大阪府民市民を動かすほぼ全てです。
維新の選挙を応援しに集まるスタッフもそうした熱量にほだされた人達であり、「世の中がよくなってほしい、政治とかなんかよう分からへんけど」。多くがそうした善意の人達です。自民党政治に対する長年の政治不信、そこに現れ、「なんかよう難しい事は分からへんけど、何かやってくれそうやん~」っと心を動かされる程の、気迫と熱量でもって頑張っている様にみえる人の存在は、自民のあまりのセンスのなさに対し、ブッチギリで輝いて見えてしまうのです。
今回、投票率は約10ポイント下がりました。これは橋下人気の下落です。「でも、他に入れる選択肢がない!」。これなんです。
無党派層はもともと政治にほぼ興味がありません。なんちゃって政治意識で、橋下票に入れています。そして、安保強行採決くらいは、「メチャクチャやりよったな~」ぐらいは知っています。だから橋下維新のあの壮絶な主張の無茶苦茶さも、印鑑と通帳を握りしめて離さない「居直り強盗」ぶりも、全部!関係ない!のです!
「何か難しいことよう分からへんけど、橋下さん頑張ったはるしええんちゃうん~」以上です。それ以上でも以下でもありません。
人気投票の選挙を勝つ為に、対立を生み出し過激に目立つことで「何かよう分からへんけど頑張ってる、凄い」と見える炎上商法でキープするしかない、止まることのできない周遊魚。これは消費され、やがて飽きられる商品であり、生モノのエンタメビジネスです。
そのうち飽きられる事が橋下維新の終わり。そしてどこかで現実の政治、政策が破綻をします。どちらが早いかのロシアンルーレットです。
とりあえず、橋下おおさか維新は今回の選挙に勝ったことで、お家騒動の政治資金問題からすんでのところで延命はしましたが、実際的な人気の維持はあと1クールか2クールじゃないかと思っています。その間に安倍内閣との与野党協力タッグで参院選を勝ち抜き、改憲まではやってしまう等はあるかもしれませんが、そうしたことも含め、実態と乖離した人気は、現実の政治のほころび歪みと共に低迷し、平行して反対勢力や候補の台頭もあるでしょう。
反対勢力や候補が実力で力をつけ、成長していく事が非常に望ましいし、本当の民主主義やまっとうな政治に転換していくには不可欠です。それが、候補を擁立し票をとるには、残念ながらもう少し時間がかかるんじゃないかな、って。SADLやSEALDsやこうした若者の運動から生まれるかもしれないし、そうじゃないかもしれないし、それはまだわかりませんが、この運動から流れの中で、そうした思い、魂、思想、は連なっていくと思います。
今の政治は僕らの思いとは随分遠いところに向かっていく一方ですが、こっちはゼロに等しい状況から学んだり出会ったりしながらここまでこれほど大きくなってきたわけですから、未来には希望を感じています。次の参院選、そして衆院選、全国のローカル選挙、憲法改正、とまだまだありますが、その度、悲観せず、腐らず、楽しんでやっていけば良いんじゃないでしょうか。
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大阪とは縁もゆかりもない私が今回の選挙結果を見て思うのは、大阪府市の隣接自治体にとって千載一遇のチャンスが来た、いうことくらいかな。このまま維新が大阪で暴れ続けるのなら、兵庫は大阪よりも規模大きくなれる筈。人も金も今まで以上に流出する、絶好のチャンス到来と見る
— フジヤマガイチ (@gaitifujiyama) 2015, 11月 22
今回の選挙結果見るに大阪にいる優秀な人たちや企業を自分たちの自治体に引っ張ってこれる最高のチャンスが来てるなと。ただでさえ大阪が維新の軍門に下ってから企業流出が加速度を増しているしね。交響楽団や文楽への対応見てても文化的にも衰退必至な訳で、他の自治体は尚更にチャンス来てる
— フジヤマガイチ (@gaitifujiyama) 2015, 11月 22
繰り返すけど今の大阪はピノチェト政権下のチリみたいな状況に片足突っ込んでる訳でね。メディアの主導権を握られた上で、新自由主義的経済と縁故主義中心の世界に突っ込んでいるんだから、そりゃ優秀な人から逃げ出していきますよ。かつてラテンアメリカで失敗した事のリプレイが始まってるんだからさ
— フジヤマガイチ (@gaitifujiyama) 2015, 11月 22
大阪ダブル選挙でおおさか維新が知事、市長選とも勝利。橋下維新が完全に息を吹き返した。橋下氏が政治家をやめるという約束を反故にする事は確実。橋下氏は大衆を惹きつけるアジテーターとしては天才。次は安倍総理と組んで憲法改正を仕掛け、安倍氏の後の自民党総裁を狙う。目指すは橋下独裁政権だ。
— 菅 直人 (Naoto Kan) (@NaotoKan) 2015, 11月 22
今日の大阪の結果で、
2016年参議院選挙は、現状打破への難易度が上がった。
これは面白くなってきた。
より解りやすく伝えられるように頑張るぞ。
しつこく全国廻って横に繋がってくぞ。
来年夏、参議院過半数割れで官邸にひと泡吹かせてやろうぞ。
— 山本太郎 次の準備を! (@yamamototaro0) 2015, 11月 22
「引退賭けてやる」といって煽って惜敗だった時点でこの道筋は見えていたようにも思えるね。忘れやすい日本人のことよくわかった戦略なのかも。野党再編は複雑化して結果的に来年の参院選は与党有利に。選挙後民間から橋下徹大臣登用という構図か? https://t.co/m01kRdmzgB
— 津田大介 (@tsuda) 2015, 11月 22
大阪のダブル選挙でいずれも大阪維新の会が圧勝した。アンチ橋下側が負けたのは、自民から共産までが一緒になり、なんの政策も打ち出せなかったからだ。それに橋下市長には大阪市の合理化など、少ならかぬ実績がある。僕は橋下さんは政界から引退すべきではないと思う。
— 田原総一朗 (@namatahara) 2015, 11月 23
大阪ダブル選挙は、おおさか維新の会が擁立した松井、吉村両氏の圧勝となりました。大阪都構想を僅差で否決したことと都構想に代る大阪会議が機能しなかったことへの反省が、この結果を生んだと私は思います。大阪都構想の実現は副首都の位置づけと合わせて、引続いての最大の課題です。
— 片山虎之助 (@katayama1122) 2015, 11月 23
この度の大阪市長選挙にあたり、多くの皆様からご声援を頂き、ご期待を頂いたにも関わらず、私の力不足で残念な結果となり、大変申し訳ありません。
投票結果は、真摯に重く受け止めなければなりません。
ご支援を頂いた皆々様に心から感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。
— 柳本 あきら (@yanagimotoakira) 2015, 11月 22
今回の大阪W選挙は野党連合(自民・共産連合)の票はまとめきれず、オール大阪体制(シールズ・サドルなどはめっちゃ頑張ってましたが)を築けなかったことにより政治無関心層も動かすことができなかったことにより、反維新派は惨敗という結果になってしまいました。さすがに、あの安保法国会の後で野党の自民党支援というのは実際問題難しいものがありましたかね。民主党はほぼノータッチでしたしね。
とりあえず、大阪の皆様お疲れ様でした。