http://lite-ra.com/2016/12/post-2808.html
共同通信が17、18日に実施した全国電話世論調査によれば、日露首脳会談を「評価しない」が54.3%で、「評価する」の38.7%を15.6ポイント上回った。また、朝日新聞が19、20両日行った世論調査では、会談自体への評価についてこそ「評価しない」と「評価する」が拮抗したものの、「会談では、北方領土で、日本とロシアが共同での経済活動をする協議に入ることなどで、合意しました。今回の会談で、北方領土問題をめぐる交渉が、どの程度進んだと思いますか」という項目では、肯定的回答(「大いに進んだ」2%、「ある程度進んだ」25%)に対して否定的回答(「あまり進まなかった」48%、「まったく進まなかった」22%)が大きく上回った。
ところが、そんななか、やっぱりあの新聞だけは、共同や朝日とはまったく違う「世論」を伝えていた。そう、“安倍政権の機関紙”と呼ばれる産経新聞である。19日付の夕刊一面には、こんな見出しが躍った。
「日露首脳会談、評価63% 北方領土『進展』26% 本社・FNN合同世論調査」
いや、ひょっとしたら、普段から政権の御用新聞となっている産経のこと、「電話回答では産経新聞の調査だというだけで回答を断る人もいるから、サンプルにバイアスが生じることもあるだろう」と思う方もいるかもしれない。しかし、それでも仮に「評価する」が10ポイント程度上回っていただけならば想定の範囲内と言えなくもないが、実際には、その差30ポイント以上。こんな大差ははっきり言ってめちゃくちゃである。
当然、ここにはペテン的なからくりが存在した。
実は、産経新聞20日付朝刊に掲載された「主な質問と回答」によれば、問題の「日露首脳会談、評価63%」(夕刊見出し)の根拠となった質問は、このような文章であった。
「安倍首相とプーチン露大統領の首脳会談で、北方四島での共同経済活動の実現へ協議することで合意し、元島民の自由往来の対応を検討することになった。今回の会談を評価するか」
もうお分かりだろう。つまり、産経新聞は単に首脳会談自体を「評価する」か「評価しない」かを尋ねていたのではなく、その前に「北方四島での共同経済活動の実現へ協議合意」「元島民の自由往来の対応」という言葉をかぶせることで、意味を限定し、肯定的な評価を導くようにミスリードしていたのである。
賛否が拮抗した朝日の設問と比較すれば、その恣意性は明らかだ。朝日の設問は「安倍首相と、ロシアのプーチン大統領は、日本で首脳会談を行いました。今回の会談を評価しますか。評価しませんか」というもので、会談それ自体に対する評価しか尋ねていなかった。これと比べれば、産経の質問文、設定は明らかな論点のすり替え、詐欺的としか言いようがないだろう。
だが、これは今に始まったことではない。本サイトではこれまで、産経によるデタラメな世論調査について、以下の記事で指摘してきた。
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以下ネットの反応。
今年は本当にカオスな1年だった
公然とメディアコントロールに乗り出した、戦後では初の内閣
NHKだけでなく、どの局、メディアも平伏…
(この3Kさんだけは最初からのゴマすり、資本だけ良ければ、あとはどうでもいいメディアだったけどね)https://t.co/KVqTYRJyOP— 走りだせ☆ふぃーばーのおじさん (@fever1976) 2016年12月29日
「賢明な読者諸賢は、こうした安倍政権と団結して詐欺的な“世論操作”を行うマスメディアを、決して信頼してはいけない。とくに、何かの縁で産経新聞や「産経ニュース」を読む場合は、見出しで判断するのではなく…」産経など「信頼」に値しないhttps://t.co/8ILcmtU8Ym
— 桃雪 (@momoyuki1968) 2016年12月29日
ゴシップ誌以上の価値はない産経だけど、各種ポータルサイトで多く利用されている状況は大変危険だと思う。 大失敗の日露首脳会談を「国民の6割が評価」の結果に誘導 https://t.co/6MQoQyN58I @litera_webさんから #産経新聞
— LizzieBorden (@LizzieBorden_) 2016年12月28日
【産経新聞とFNNがまたペテン的手口の世論調査!
大失敗の日露首脳会談を「国民の6割が評価」の結果に誘導】うちの会社じゃ産経なんて、もう誰も信じてないですwhttps://t.co/X8saUHZE0D
— おしえておしえて。。。。 (@oshiete_496) 2016年12月29日
https://t.co/to5BEZM4iA
統一)産経新聞とFNNがまたペテン的手口の世論調査! 大失敗の日露首脳会談を「国民の6割が評価」の結果に誘導ゴミ売りもww
— fareast (@psk337) 2016年12月29日
【売国民】日露首脳会談はどちらに有利?「日本」5%なのに、日露首脳会談を「評価する」63・9%っておかしいでしょ?(フジ産経世論調査)
「安倍首相とプーチン露大統領の首脳会談で、北方四島での共同経済活動の実現へ協議することで合意し、元島民の自由往来の対応を検討することになった。今回の会談を評価するか」
この世論調査はホントにおかしいなと思ってたんですよ。日本に有利と思う人が5%しかいないのに、63.9%が日露首脳会談を評価ってあり得ないでしょうと。そうしたら、やはりカラクリがあったんですね。
この設問だと、日露首脳会談全体を北方四島での共同経済活動の実現へ協議することで合意し、元島民の自由往来の対応を検討することになった。と勝手に矮小化して定義づけし、これら2点を評価するかしないかというものになってます。
日露首脳会談の全体には、結局2島返還なんかまるでなく、領土問題の進展なしに3000億払うことになったということも当然含まれているわけです。
まあ、この設問に簡単にひっかかってしまう国民もアレですが、やはりまずはフジ産経のあくどさ・ペテンが糾弾されるべきでしょう。リテラの良記事です。