新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるために、私たちにできることは?『病気は社会が引き起こす インフルエンザ大流行のワケ』木村知インタビュー
――とはいえ、連日インフルエンザや新型ウイルスが流行している、とニュースなどで聞くと、心配になってきます。木村:インフルエンザなどの感染症について、テレビで必要以上に恐怖をあおるような番組が放送されると、ほとんど症状が無いにもかかわらず、『罹っていたら怖いので』という理由だけで受診される方が急増します。
昨日も『テレビでやっていたコロナウイルスが怖いので念のため来ました』というほぼ無症状の方が、さっそく来院されました。しかし、医療機関というのは感染症の方々が多く集まって来る場所です。感染症にかかるのが怖いという人こそ、立ち入ってはいけないのです。
それだけではありません。今後、新型コロナウイルスの流行が拡大してきたときに、このような無症状や軽症の方々が『心配だから』との理由だけで殺到すると、医療機関はパンクしてしまいます。重症者に手が回らなくなり、重症肺炎患者さんの生命を救えなくなってしまうのです。
パニックこそが感染症の被害を拡大させます。心配なお気持ちはわかりますが、一歩立ち止まって、冷静に受診の必要性を考えて欲しいと思います。
――今日のお話の「インフルエンザ」を「新型コロナウイルス」に置き換えると、感染の拡大が心配になります。
木村:今回のウイルスについては今後多くの知見が出てくると思いますので軽々には言えませんが、報道を見ると、現時点では、高齢者や持病のある方に死亡例が多いようです。つまり、もともと健康で若い人、社会活動が活発な人たちに重症例が少ないということは、そういった人たちは、感染したまま社会活動ができてしまうということを意味します。
――対策としてはなにが考えられますか。
木村:ニュースなどで、うがいや手洗い、マスクの着用の励行などがいわれていますが、私はなによりも、体調が悪ければ休むことが感染拡大防止に一番重要だと思っています。
職場や学校の管理者は、体調がよくない、休むべき人を積極的に休ませるという態勢を早急に作ってください。国には、体調不良で休んだ労働者が、使用者によって不当な扱いを受けることのないよう、また所得の心配をしなくて済むような制度を構築してほしいと思います。だれでも体調を崩すことはあります。困ったときはお互いさまの気持ちを持ってほしいと思います。
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以下ネットの反応。
入国禁止、スティグマ、差別、買占め、パニック受診…これからは水際隔離ではなく、限られた医療資源で、いかに感染を拡げず重症者を死なせないかだ。感染者を排除するという思考から、感染者といかに共存するかという医療社会学的思考に、一人ひとりがその意識を転換し行動していく必要がある段階だ。 https://t.co/e0oBDweeV0
— 木村知 (@kimuratomo) 2020年2月1日
潜伏期間が長い、無症状〜重症と症状に幅があるなら一般診療所での診断は困難だ。すでに「ただのカゼ」で診療所に来ている感染者も少なくないはず。致命率も高くないなら、今さら指定感染症や検査に拘るよりも、受診すべきかすべきでない症状か、休むことを周知した方が感染拡大阻止には絶対現実的だ。 https://t.co/e0oBDweeV0
— 木村知 (@kimuratomo) 2020年2月1日
「検査なんてそんなもの」って多くの人に知って欲しい。インフルエンザ迅速検査も、陰性だと「ああ良かった」との患者さんはもちろん「大丈夫。インフルエンザではありません」との医師さえいるが、大間違いだ。インフルにしろ新型コロナにしろ、大事なのは陽性・陰性ではない。その人が重症か否かだ。 https://t.co/VmBQ6fLIYn
— 木村知 (@kimuratomo) 2020年2月1日
「病院が一番汚い場所」との認識を持ってる人、案外少ないんじゃないか?多くの診療所・病院では、熱発者もそうでない人も、カゼの人も血圧の薬を取りに来たおじいさんも、動線も待合室も同じ。この事実を知れば「新型ウイルスが心配だから」との理由だけで受診することが、いかに危険か解るはずだが。 https://t.co/e0oBDweeV0
— 木村知 (@kimuratomo) 2020年2月2日
無症状や軽症の方々が『心配だから』との理由でだけで殺到すると、医療機関はパンクしてします。重症者に手が回らなくなり、重症肺炎患者さんの生命を救えなくなってしまうのです。
パニックこそが感染症の被害を拡大させます。 https://t.co/X4TvCMgp55— 東ちづる Chizuru.Azuma (@ChizuruA1) 2020年2月2日
国が簡易検査を推奨したら全国の医療機関は大パニックだ。
●無症状でも陽性が出るってよ!
●新型だと会社行けないんで
軽症者が、我も我もと検査を求めて病院に殺到するのは、火を見るより明らかだ。医療体制が崩壊し、真に医療を要する人に深刻な影響が。過去から学ぼうや。https://t.co/QNwy8Fs9la— 木村知 (@kimuratomo) 2020年2月3日
新型ウイルスが心配な人、もしあなたが花粉症でなく、今まだ何ら症状も無いのであれば、新型ウイルス予防のためだけに買おうとしているそのマスク、花粉症で今まさに苦しんでいる人に、譲っていただくことはできまいか。あなたの心配は、マスクではなく、正しい知識がシャットアウトしてくれるはずだ。
— 木村知 (@kimuratomo) 2020年2月3日
教育現場も家庭も大混乱に。指定感染症ゆえ「治癒するまで出席停止」、つまり「陽性なら皆勤賞がまだ狙えるので検査したい」「陰性証明書がないと出席できない」との無意味な受診が増え、待合室で感染しあって流行は一層拡大する。そうなればウイルスの災いではない、人災だ。https://t.co/1Vyljt3h7Q https://t.co/XXf42o0AMQ
— 木村知 (@kimuratomo) 2020年2月3日