「学歴詐称疑惑」再燃の小池百合子…その「虚飾の物語」を検証する
私はかつて政治記者をしていたこともあって、これまでずいぶん多くの政治モノの本を読んできました。しかし444ページもある大著なのに、徹夜して一気呵成に読破した本など、何年ぶりでしょう。
彼女はいつも作り笑いを浮かべているのに、目はちっとも笑っていない。目は心の窓と言うけれど、この政治家の心はどうなっているんだろう? 彼女には、人知れない「心の闇」があり、さらにその奥にも「真実の闇」が広がっているのではないか。そんなノンフィクション作家としてのモヤモヤ感からでした。でも、直接のきっかけは編集者からの執筆依頼です。それがなかったら、書いたかどうか。
小池百合子氏は、生まれてこの方、一体いくつのウソをつき続けてきたのだろうと、石井さんの本を読みながら数えていったものの、50くらいまで来てやめました。「嘘八百」という言葉があるけれど、本当にこの本には800くらいのエピソードが詰め込まれているかもしれません。まさに「虚飾の政治家」です。
アラビア語を助けてもらうために、言葉の流暢な男性と短期間の「語学結婚」をしたり、エジプト人の庶民が乗るバスを「ノミがうつる」と言って毛嫌いしたり……。
最初は、「フーテンの寅さんみたいな」(同書)父親を頼り、父の知人の会社で働き始めるが、「並外れた上昇志向が伝わってくる。人を値踏みして近づいているのが分かる」(当時を知る社員)と。
「(小池氏は)なんだか食うか食われるかという感覚で生きているように見えた。都会のジャングルを、ひとりでサバイバルしているような。人間関係が希薄で、しかも長続きしない」
「小池さんには別に政治家として、やりたいことはなくて、ただ政治家をやりたいんだと思う。だから常に権力者と組む。計算というより天性のカンで動くんだと思う。無理しているわけじゃないから息切れしない」
なるほど。それでは最後の質問です。小池都知事の野望は、明確だと思います。すなわち、来月の都知事選で圧勝し、来夏の東京オリンピック・パラリンピックも成功させる。ついでに来夏の東京都議会選挙にも勝つ。そしてこれらをバックにして国政に復帰し、「ポスト安倍」を目指すというものです。
彼女がどんな野望を抱こうが自由ですが、現在は1300万都民の生殺与奪を握り、首相になれば1億2000万国民の生殺与奪を握るわけです。本書の帯には、「救世主か? “怪物”か? 彼女の真の姿。」と書いてありますが、444ページを貫いている「彼女の真の姿」は、「救世主」ではなく「怪物」です。
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以下ネットの反応。
石井妙子『女帝 小池百合子』(文藝春秋)があまりに面白い。東京に住む者にとっては恐怖。ページをめくる度にホラが上塗りされるカイロでのエピソード。自らの悲劇を盛りながらバラ撒き、「希少価値」を好む政界渡り鳥。虚無を隠し通す冷酷な手法の数々が今に続いている。 pic.twitter.com/7mfYRwNg9Q
— 武田砂鉄 (@takedasatetsu) May 31, 2020
「女帝小池百合子」で都民に是非読んでほしいのは、阪神淡路大震災で被災して窮状を訴える人への小池さんの当たり方。マニキュア塗りながら陳情を聞いて「塗り終わったから帰って」。あまりの冷淡さに号泣する陳情者たち。これ、ロックダウンで苦しむ明日の都民の姿だよ
— 神田憲行 (@norikan2) June 5, 2020
石井妙子さんの『女帝 小池百合子』傑作。カイロ留学時代の同居女性の告発から始まる衝撃の連続に圧倒され続けた。「ノンフィクション作家は二つの罪を背負う。一つは書くことの罪。もう一つは書かぬことの罪。後者の罪をより重く考え本書を執筆した」というあとがきの一言がまた重い。 pic.twitter.com/9kiSY58UdT
— 阪上大葉(編集者) (@hanjouteiooba) May 30, 2020
『女帝 小池百合子』(石井妙子著・文藝春秋)。まだ読んでる途中だけど、東京都民は東京都知事選挙の前に読んでおいた方が良い。 pic.twitter.com/ZDB40BNjqj
— 畠山理仁/『黙殺』(集英社文庫)発売中 (@hatakezo) May 30, 2020
新刊『女帝 小池百合子』の著者、石井妙子さん「小池さんの『まだ読んでいませんので』という逃げ方は、いかにもあの人らしいですね。卒業したと言い張るなら、記者会見をひらいて卒業証書を公開すれば1分で証明できるのに、それは絶対にしないんですよね」(文化放送「くにまるジャパン極」6月4日)
— きっこ (@kikko_no_blog) June 4, 2020
『女帝小池百合子』著者・石井妙子氏「私は小池氏の半生をつぶさに追いかけて彼女がここまで上り詰めてしまったことが不思議でならない
言葉を代えて言うとそのこと自体が日本社会の『危うさ』を表している
もしも小池首相が誕生したら日本中が彼女に振り回されると思います」https://t.co/hRw0WrsoIb— 弁護士 亀石倫子 (@MichikoKameishi) June 4, 2020
「女帝 小池百合子」読了。物凄いモノを読んでしまった。次々と衝撃的なエピソードが目に飛び込んでくるのでページを捲る指が止まらない。これは暴露本や批判本ではない。”怪物”の生態記録である。貴志祐介氏の「黒い家」が好きな人には全力でオススメしたい。最高。https://t.co/iiZsWldFbD pic.twitter.com/h1SYX6NASl
— 深爪@新刊「立て板に泥水」発売中 (@fukazume_taro) June 4, 2020
ホラーの様に怖いノンフィクション…。
石井妙子著『女帝 小池百合子』この一行が彼女の全てを物語っている様だ。 pic.twitter.com/mwRNhP0kF3
— momo noki (@momo_ni) June 2, 2020
読みました!いやはや、これ絶対読んでください!都民もですし、多分、選挙権ある方すべて。
マスコミが作り上げた虚飾。高校時代から、キャスター、日本新党、築地まで。凄まじく丁寧な取材です。
女帝 小池百合子 (文春e-book) https://t.co/Zm6H7W24mG #Amazon
— 白石草 (@hamemen) June 3, 2020
『女帝 小池百合子』読了。「小池百合子」という人物の実像を描き切った傑作。都知事選までに、少しでも多くの都民がこの本を読み、「女帝」の正体を知るべきだと思う。
『女帝 小池百合子』石井妙子 | 単行本 https://t.co/TqHJwgFaQD @bungeishunjuより
— 郷原信郎【「深層」カルロス・ゴーンとの対話 起訴されれば99%超が有罪となる国で】 (@nobuogohara) May 30, 2020
石井妙子さんの『女帝 小池百合子』(文藝春秋)。読み出したら怖くて止まらない。ここに書かれていることにどう反論されるのか。これを読んでなお小池氏(私じゃない方)を支持しようという方がいるのか。なお、カバーはアレなんで外しました(^_^;)
やっぱり #宇都宮けんじさんを東京都知事にしよう pic.twitter.com/JkBbgIhNec— 小池 晃(日本共産党) (@koike_akira) June 3, 2020
「彼女がどんな野望抱こうが自由だが千三百万都民の生殺与奪握り、首相になれば1億2千万国民の生殺与奪握る。帯は『救世主か? “怪物”か? 彼女の真の姿』。444ページ貫く『彼女の真の姿』は『救世主』でなく『怪物』だ」 https://t.co/KuZOPbfKQt
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) June 5, 2020
これはすごい。すごすぎる。
これだけ長い対談を読むと、もう著書を読んだ気分になるが、ますます著書を読んでみたいと思わせるのは本当にすごい。著者の力はもちろんのことだけど、対象の底知れなさが…「学歴詐称疑惑」再燃の小池百合子…その「虚飾の物語」を検証する https://t.co/fTVVd3jimd
— 小倉雄一@オンライン学習塾やってます! (@oguray) June 5, 2020