日本学術会議が新会員として推薦した105名の研究者のうち6名が、内閣総理大臣により任命されなかったことが明らかになりました。日本学術会議は10月2日に総会を開き、任命しなかった理由の開示と、6名を改めて任命するよう求める要望書を10月3日、内閣総理大臣に提出しました。
日本学術会議は、戦時下における科学者の戦争協力への反省から、「科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与する」(日本学術会議法前文)ことを使命として設立されました。内閣総理大臣の所轄でありながら、「独立して」(日本学術会議法第3条)職務を行う機関であり、その独立性、自律性を日本政府および歴代の首相も認めてきました。現在、日本学術会議の会員は、ノーベル物理学賞受賞者である現会長はじめ、各分野における国内でもっともすぐれた研究者であり、学術の発展において大きな役割を果たしています。内閣総理大臣が研究の「質」によって任命判断をするのは不可能です。
(中略)
任命拒否された研究者は本学の教員ではありませんが、この問題を座視するならば、いずれは本学の教員の学問の自由も侵されることになります。また、研究者の研究内容がたとえ私の考えと異なり対立するものであっても、学問の自由を守るために、私は同じ声明を出します。今回の任命拒否の理由は明らかにされていませんが、もし研究内容によって学問の自由を保障しあるいは侵害する、といった公正を欠く行為があったのだとしたら、断じて許してはなりません。
このメッセージに留まらず、大学人、学術関係者はもとより、幅広い国内外のネットワークと連携し、今回の出来事の問題性を問い続けていきます。
2020年10月5日
法政大学総長 田中優子
スポンサーリンク
以下ネットの反応。
菅総理の母校である、法政大学のたなか総長が、「日本学術会議会員任命拒否に関して」とメッセージ。総理の就任にあたって活躍を願うとした母校からの、メッセージです。菅総理、ぜひ、ご一読を。 https://t.co/a2Ql3rVt0L
— 宮本徹 (@miyamototooru) October 5, 2020
法政大学の田中優子総長が、学術会議会員の任命拒否の件で、声明を出しました。構成員の一人として、大変誇らしく思う。https://t.co/V3iO4MsLmU
— 山口二郎 (@260yamaguchi) October 5, 2020
菅首相母校、法政大学の田中優子総長が声明発表。「この任命拒否は、憲法23条が保障する学問の自由に違反する行為であり、全国の大学および研究機関にとって、極めて大きな問題であるとともに、最終的には国民の利益をそこなうものです」https://t.co/cHxUv1wp40
— deepthroat (@gloomynews) October 5, 2020
そりゃそーだ。
ガースーの母校より。【総長メッセージ】日本学術会議会員任命拒否に関して :: 法政大学 https://t.co/WkjebQSHMb
— 総理!今夜もごちそう様! (@today_gochisou) October 5, 2020
スガ氏の母校・法政大学の田中優子学長が日本学術会議会員任命拒否に対して長文のメッセージを出された。大いに賛同いたします。https://t.co/SYYZlgBIG8
— 植木雅俊 (@Mlz6YW6DOXK3w85) October 5, 2020
大学のトップの意見表明。時の政権に異議をいうのは異例だろう。→ https://t.co/6akzYDFPNJ?
— 閑居 (@doatease2313) October 5, 2020
【総長メッセージ】日本学術会議会員任命拒否に関して :: 法政大学
● 内閣総理大臣が研究の「質」によって任命判断をするのは不可能です菅義偉氏、母校からもダメ出し。批判の声は消えるどころか、今や収拾つかない事態となってきた#日本学術会議への人事介入に抗議する https://t.co/VYUooaaWgs
— 木村知 (@kimuratomo) October 5, 2020
さすが田中優子さん。「日本学術会議会員任命拒否に関して」法政大学総長メッセージ。https://t.co/avu8zuaij5
各学会からも抗議声明が次々と。— 上野千鶴子 (@ueno_wan) October 5, 2020