https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161221-OYTET50036/
外国人・他民族を差別・侮蔑・排斥するヘイトスピーチは、日本の恥です。その中心的な材料に使われているのが生活保護。在日韓国・朝鮮人は「特権」を持っているから生活保護を受けやすいと排外主義者は主張しています。一部の国会議員も、生活保護たたきと偏見をあおる発言を繰り返しています。ネットにもその種の発言がまき散らされ、うのみにしている人が少なからずいるようです。デマ、あるいは妄想としか言うほかありません。日本人でも外国人でも、生活保護を受ける要件や給付の基準は同じで、特別扱いなど、ありません。在日韓国・朝鮮人が保護を受けている割合が高いとすれば、過去の就職差別や社会保障制度からの排除の影響によって、貧困層が多いからでしょう。むしろ、差別を受けてきた結果なのです。
だから、生活保護制度を利用しているのは、ほとんどが日本人であって、外国人の生活保護という問題は、4万世帯余りという、わずかな部分の話です。外国人への保護が日本人の保護を圧迫するような状況では、ありません。
それでも韓国・朝鮮人、フィリピン人が世帯主の世帯は、保護を受けている割合が高そうなのは確かです。どう考えればよいのでしょうか。
要するに、在日コリアンの生活保護で圧倒的に多いのは、高齢の単身者です。
朝鮮半島、台湾は、かつて日本が植民地支配していました。その地域の住民は大日本帝国の臣民でした。とりわけ朝鮮半島からは軍事徴用、企業での労働、事業、進学などで日本へ渡った人たちが約230万人にのぼりました。
1945年に戦争が終わると、約4分の3が朝鮮半島へ戻りましたが、60万人以上が残りました。日本で生活基盤を築いた人たちや、帰国しても生活拠点の乏しい人たちです。50~53年には朝鮮戦争が起きます。その戦争中の52年4月、サンフランシスコ平和条約の発効で日本が主権を回復したのに合わせ、日本政府は、旧植民地出身者やその戸籍に入っていた日本人配偶者の日本国籍を喪失させました。選択の余地なく、日本人から外国人にされたのです。
「自分の国へ帰れ」などと嫌がらせをする人たちもいますが、特別永住の外国人は、過去に植民地支配をした影響であり、もとをたどれば日本国籍だった時期もあります。条件の厳しい帰化ではなく、民族性を認めつつ無条件で日本国籍を選択できるようにするのも、ひとつの方法かもしれません。
さて、在日コリアンの高齢者は、なぜ貧困が多いのでしょうか。主な背景は、過去の就労形態と年金制度にあります。かつては就職差別が厳しく、韓国・朝鮮人が大手企業に就職するのはきわめて難しく、公務員への道も閉ざされていました。このため町工場、商店、飲食店などの自営業、あるいは中小事業所や現場の労働者として働いてきた人が多いのです。
国民年金制度は、82年1月1日より前は、外国人は加入できませんでした。81年に日本が難民条約を批准するのに合わせ、国民年金法と、児童手当法、児童扶養手当法などの国籍条項が削除され、外国人も対象になりました。国民健康保険法は83年の法改正で国籍条項が削除されました。それまでは多くの社会保障・社会福祉制度から、外国人は排除されていたわけです。
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以下ネットの反応。
「在日が生活保護制度を圧迫している」といったデマを信じてる人はぜひ読んでほしい。読売・原さんの記事。貧困と生活保護 在日外国人は保護を受けやすいという「デマ」 https://t.co/B3IWz7YwF6
— 安田浩一 (@yasudakoichi) 2016年12月22日
読売すばらしい。内容はすべて既にわかりきっている事実だが、それを発行部数世界一の新聞が、これ以上ないというくらい明快に解説。まさに新聞の役目を果たしている。
貧困と生活保護(45) 在日外国人は保護を受けやすいという「デマ」 https://t.co/8QamymFDeq
— ishikawa yuichiro (@ishikawayuichir) 2016年12月23日
読売新聞大阪の原記者は、読売の中でも流されずにずっと頑張ってきた記者です。みなさんもぜひご記憶ください。在日外国人は生活保護を受けやすいというデマについて。真の原因は単身高齢者の激増にある。 https://t.co/nFI8qCuZRY
— 森岡正博 (@Sukuitohananika) 2016年12月24日
よくまとまった記事。知ってるひとはとっくに知ってる話ですが、基本的な事実として。 / 貧困と生活保護(45) 在日外国人は保護を受けやすいという「デマ」 : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)...https://t.co/X93QOBNh1V #NewsPicks
— 平野啓一郎 (@hiranok) 2016年12月23日
この記事、「在日外国人は保護を受けやすい」という従来からのデマを完全に否定した良記事だが、同デマを拡散していた界隈はこの記事を受けて、今度は「外国人への生活保護支給は違憲という判例がでている」という、別のデマを広めようとしている。 https://t.co/W9wEDd2GUC
— じこぼう (@kinkuma0327) 2016年12月24日
貧困と生活保護(45) 在日外国人は保護を受けやすいという「デマ」 https://t.co/ammgmqYmHz 生活保護に限らず、「在日特権」の類いはデマ・妄想。読売新聞がヘイト問題に熱心だとは思わないが、ヘイトデモが社会問題化した2013年の新大久保に読売の記者は来ていた。
— 佐藤 圭 (@tokyo_satokei) 2016年12月24日
貧困と生活保護(45) 在日外国人は保護を受けやすいという「デマ」 :ヨミドクター(読売新聞) https://t.co/K0stSAH6uE
統計資料をていねいに引用し、在日外国人の生活保護不正受給デマを完璧に否定。より多く読まれ、反論用に保存されるべき良記事。
— C.R.A.C.K. (@crac_kawasaki) 2016年12月23日
貧困と生活保護(45) 在日外国人は保護を受けやすいという「デマ」https://t.co/noQdT2WNhq
読売新聞にこの記事が載った事に驚き、意義深さを感じる。良い記事だ!— 空 【安倍政権打倒!】 (@kskt21) 2016年12月23日
デマが問題ではない。
外国人が生活保護を受給することは憲法違反であり、その違反者が3%もいるということが一番の問題。貧困と生活保護(45) 在日外国人は保護を受けやすいという「デマ」 https://t.co/EzKByFjWWA
— おのの小町 (@O_nonokomachi) 2016年12月23日
わかりやすく、問題点をきちんととらえた良記事。読売にこういう内容が載ることも意味が大きい。 / “貧困と生活保護(45) 在日外国人は保護を受けやすいという「デマ」 : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)” https://t.co/zzN77LMh36
— 李怜香 (@yhlee) 2016年12月23日
記事の内容は普通の人ならみんな知っていることですが、読売新聞に掲載されたというのが大きいですね。ネトウヨの思考はデマが前提になっているので常に結論がおかしなところに到達します。一貫性もまるでないですしね。