ヒューマンライツ・ナウは、「秘密裡に行われるTPP交渉- 参加国における人権保障を大幅に後退させることは許されない」声明を発表しました。
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秘密裡に行われるTPP交渉 参加国における人権保障を大幅に後退させることは許されない。http://hrn.or.jp/activity/area/cat147/tpp-/
2015年6月2日、国連の人権専門家は連名で、「TPPの人権への悪影響を懸念する」との異例の声明を発表し、TPP合意が交渉国の人びとの生命、食糧、水、衛生、健康、住居、教育、科学、労働基準、環境等の人権保障に多面的かつ深刻な悪影響をもたらしかねないことを警告し、貿易・投資協定の交渉に利害関係者の参加を認め透明性を図ること、協定草案のテキストを公開すること、人権に対する影響を適切に評価し人権保護規定を盛りこむことを勧告した。
東京を本拠とする国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が交渉国における人々の人権に甚大な影響があるにもかかわらず、交渉内容が影響を受ける人々に対する一切の情報開示をしないまま秘密裡に行われていることに深刻な懸念を表明する。
これまでリークされたTPP協定草案等の断片的な情報によれば、同協定では、自由貿易推進のためその障壁となる各国の規制を撤廃する一方で、自由貿易の建前とは本来無関係なはずの、企業の知的財産権の過度の保護が打ち出された結果、交渉国における人々の生命や身体、健康にかかる基本的人権に現実的に多大な影響を及ぼす条項が数多く盛り込まれていることが明らかになりつつある。
その例としては、
・SPS(衛生植物検疫)に関する各国の権利行使が制約を受けるほか、例えば日本の原産地規制、遺伝子組換え作物の表示規制措置が制約を受け、食の安全・健康保護・消費者保護が危機に晒される危険性[5]、
・知的財産権の保護規定による、製薬企業の特許とデータ保護の権利の強化による、安価な医薬品への
アクセスの権利の侵害と医薬品の高騰の危険性[6]
・公的医療保険に対する民間保険の参入、営利企業の病院経営参入、混合診療の解禁による日本の国民
皆保険制度の形骸化の危険性[7]
・消費者保護の後退の危険性[8]
・著作権保護期間の延長や著作権侵害の非親告罪化,更には法定賠償金の導入により,二次創作活動
等の表現の自由,報道の自由に重大な萎縮効果をもたらす危険性[9]
など多くの分野に及ぶ。
国連人権専門家らは、健康保護や食の安全の基準引き下げ、労働基準の引き下げや貧困の深刻化により、先住民、障害者、高齢者等社会的弱者の人権に深刻な影響が及ぶことに強い懸念を表明している。
TPPによって大きく変わる事は、コメ代ではなく、移民の流入による賃金の低下と知的所有権の強化による医療費の高騰です。それはコメ代よりも遥かに高くつくと思います
TPP推進:自民、公明、維新、民主
TPP反対:共産、生活、社民
pic.twitter.com/phAuRNdV4p
— gero - I am not ABE. (@garirou) 2015, 7月 27
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「TPPは、単なる貿易交渉の範疇をとっくに超えている。アメリカ・ルールをあらゆる分野で押し付けてくる。その最大のターゲットが日本」──。内田聖子氏はTPP交渉への危機感を露わにした。
内田氏は、さまざまな不安の声が上がっているにもかかわらず、日本政府がTPP妥結に突き進むことについて、「政府は、TPPによって利益が出る日本のグローバル企業を重視している。そうした企業に対して『TPP妥結できませんでした』とは、死んでも言えないのが安倍政権」と指摘した。
天笠氏は、食の観点からTPPが及ぼす影響を懸念。「TPPで安いモノが日本に入ってきても、喜んではいられない。安いモノが来ることで、安いモノに対抗するため、日本の企業は荒廃する。安いモノだけでなく、遺伝子組み換え食品やクローン家畜、感染症に冒された食肉といった、安全が確認されていない食品も入ってくる。日本の安全審査さえ、TPPのもとでは貿易障壁にされてしまう」と不安を語った。
それぞれの国が「譲れないものがある」と主張する中で、「もう大丈夫です、譲ります」と言っているのは日本だけだ、と内田氏は語る。
以下ネットの反応。
やっと気づいてくれましたか。そもそも国民主権の侵害です、TPPは。RT @1691S: <声明:国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ>【秘密裡に行われるTPP交渉 参加国における人権保障を大幅に後退させることは許されない】http://t.co/XFp1LTc9RE
— 岩上安身 (@iwakamiyasumi) 2015, 7月 27
【懸念】国連やあのウィキリークスが心配してるTPPの秘密性。当事者の僕らは心配しなくていいの?
国連が懸念を示したからようやく(仕方なく)と言った感じで、日本の人権団体からTPPへの懸念の声明が発表されました。この声明に書かれているようなことは数年前から言われていたことで、人権団体ぐらいのレベルなら当然知っていたことだと思います。
それをTPP交渉が終了しそうなこのタイミングで声明を出すのには、「ちゃんと声明出しましたよ」というアリバイ作りなんじゃないかと疑いたくなるタイミングです。