安倍総理はこれまで国会では避けてきた日本にとっての脅威は「中国」であるということをハッキリと言葉にし、安保法案の必要性を強調しました。しかし、安倍総理は２０１２年１２月２７日に「セキュリティ・ダイヤモンド構想」という英語の論文を出しており、その中でハッキリと日本の敵は「中国」だと言っています。

この論文はなぜか日本語版とするのを安倍総理が止めたので、一般には広く知られていはいませんが、一国の総理が他国を名指しで敵視するという外交上考えられない、異常な論文とも言われています。

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安倍首相、中国名指しし安保法案の必要性強調

2013/07/30 IWJ特報第95号 「ワイマール時代」の終幕？ 孤立を深める日本（前編） ～幻の安倍論文「セキュリティ・ダイヤモンド構想」のすべて http://iwj.co.jp/wj/open/archives/93824
インドまで巻き込んで「中国封じ込め」を訴える「雄大」な構想のこの論考の筆者は、昨年末、総理に就任したばかりの安倍晋三氏。国際言論組織「プロジェクト・シンジケート」のサイトに英文で寄稿し、全世界で読まれたはずの論文を、なぜか邦訳で本にまとめるに際しては、安倍総理サイドが掲載を承諾しなかったという。日本語で、広く日本国民に読んでもらいたいとは思わなかったらしい。

この論文は、過激に対中強硬姿勢を打ち出す内容となっている。「南シナ海は『北京の湖』となっていくかのように見える」と、中国の脅威を過剰なまでに煽り、「オーストラリア、インド、日本、米国ハワイによって、インド洋地域から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイヤモンドを形成」して、中国を南シナ海から排除すべきだ、と主張しているのである。

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外交というものは同じ国に対しても、ある面では緊張・ある面では蜜月といったことがよくあります。それなのに、安倍総理は第２次安倍内閣になって早々に、オーストラリア、インド、日本、米国ハワイでダイヤモンドを作って中国をやっつけるぞなどと世界に向けて言い放ってしまったのです。

こうなってくると、誰が中国との緊張状態を演出しているのかなんとなくわかってきちゃいますね。実際問題、日本と中国は経済面ではべったりとしていますし、軍事的にも過去と比べ緊張が高まっているとはとても思えません。

幻の安倍論文「セキュリティ・ダイヤモンド構想」は要チェックです。