13日アメリカ議会下院は環太平洋経済連携協定(TPP)の合意のカギを握る、大統領に権限を一任する「貿易促進権限(TPA)」法案を1票差の僅差で可決しました。しかしTPA法案は失職者支援プログラム法案と呼ばれる「貿易調整支援制度(TAA)」法案とセットになっており、両方の法案が可決されなければ成立できません。
「貿易調整支援制度(TAA)」法案はオバマ大統領が所属している与党:民主党内でも反対者が多く賛成126票、反対302票で否決しました。よって、「貿易促進権限(TPA)」法案も単独では可決されたものの成立とはなりませんでした。
http://www.asahi.com/articles/ASH6F114YH6DUHBI02C.html
米議会下院(定数435、欠員1人)は12日、環太平洋経済連携協定(TPP)の合意のカギを握る「貿易促進権限(TPA)」法案とセットで議論されていた関連法案について、賛成126票、反対302票で否決した。同時に採決したTPA法案は可決されたものの、この関連法案の可決がなければ成立できないため、TPP交渉は頓挫か前進か、際どい情勢が続いている。
否決されたのは、TPPのような貿易自由化で職を失った人を支援する「貿易調整支援制度(TAA)」法案。上院を通過したTPA法案はTAAとセットになっており、TPA法案の成立には、両方の可決が必要となる。下院はTPA法案部分は賛成219票、反対211票で可決した。
野党・共和党のベイナー下院議長は、TAA法案について再採決を求める動議を出した。議会関係者によると、TAA法案について、週明けにもTAA部分の法案が再び採決される可能性がある。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NPUHR2SYF01W01.html
TPA法案を最終採決に持ち込む前提とされていた、外国との貿易によって失職した労働者を支援する法案は、賛成126、反対302で否決された。続いて行われた象徴的な採決でTPA法案は賛成219、反対211で可決されたが、失職者支援プログラム法案が可決されない限り、大統領には送付されない。
下院は失職者支援法案を16日に再び採決する計画だ。同法案が通過すれば、TPA法案は大統領に送付される。
下院歳入委員会のライアン委員長(共和、ウィスコンシン州)は採決後の記者会見で、「大統領はなお自分の政党と協議する必要がある。この法案はまだ終わっていない」と述べた。
民主党議員で失職者支援法案に賛成票を投じたのはわずか40人で、演説で同法案を批判したペロシ下院院内総務を含め144人が反対票を投じた。
米下院、TPA関連法案否決 最終結論を来週以降に持ち越し
TPPの「促進権限」法案、米下院可決も再調整へ
以下ネットの反応。
米下院、TPAの関連法案否決 TPP、際どい情勢続く:朝日新聞デジタル http://t.co/wEZkgvzmvy ←TPAそのものは可決。関連法案(TAA)は否決。来週TAAが再採決で可決されればアウト?
— rieux2 (@miyamaodamaki) 2015, 6月 12
米下院、TPA法案を可決したものの、それとセットの、貿易自由化で職を失った人を支援する「貿易調整支援制度(TAA)」法案は否決。関連法案が可決されなければ、TPA法案も法律として成立しないらしい。http://t.co/UoBsA9vcAa
— Kok (@okyzi) 2015, 6月 12
米下院が事実上TPAを否決。TPPの交渉権限を認めるTPAは成立したのだけれど、上院で通過の条件になっていた関連法案が否決されたので事実上、TPAも否決、というややこしいことに。 http://t.co/svmJO28AoB
— 安田(ゆ)YASUDA Yukihiro (@yyjp) 2015, 6月 12
とりあえず今のところ否決、というだけで、たぶん来週には可決される見通し。⇒ 米下院、TPAの関連法案否決 TPP、際どい情勢続く|朝日新聞デジタル http://t.co/UOGGTTbzJt
— Kenji Miyajima (@Absolute_Ken) 2015, 6月 12
記事にもありますが、週明け(16日)にもTAA法案が再び採決される可能性があります。現在は反対者が多数ですが5月の上院でもあっという間に覆ったという事例があります。TPA法案が可決されればあれよあれよという間にTPPの合意へと突き進む可能性が高いでしょう。週明けの動向を注視する必要があります。
追記
16日。米下院、TPP交渉妥結に不可欠な法案採決を先送り