体にどのような影響を与えるか”具体的な効能”を企業の責任で表示する「機能性表示食品」の販売が6月12日から始まりました。「機能性表示食品」制度は国がそれほどかかわらず、企業と消費者の直接的な責任関係が大きくなります、企業の徹底した責任管理と消費者の賢い選択が必要とされる難しい制度です。
http://mainichi.jp/select/news/20150613k0000m020120000c.html
体にどのように良い影響を与えるかを企業の責任で表示する「機能性表示食品」の販売が12日から始まった。消費者の健康志向が高まる中、食品や飲料メーカーなどは美肌効果や脂肪の吸収を抑える効果などをうたった商品を順次投入していく方針だ。ただ、消費者団体などからは効果を疑問視する声も上がっている。消費者の信頼獲得が商品の普及拡大のカギを握りそうだ。
12日に先陣を切って発売されたのは、キユーピー社のサプリメント(栄養補助食品)「ヒアロモイスチャー240」。パッケージには「本品に含まれるヒアルロン酸ナトリウムは肌の水分保持に役立ち、乾燥を緩和する機能があることが報告されています」と表示した。キユーピー広報は「従来の商品では『美しさを大切にする女性向け』などとしか記載できず、効能を具体的に消費者に伝えられなかった」と、新たな表示制度を歓迎する。
飲料・酒メーカーなども新制度に熱い視線を送る。キリンホールディングスは傘下の2社から16日以降、脂肪の吸収を抑える効果などをうたったノンアルコールビールやお茶を発売。アサヒグループホールディングスもカルピスなど傘下の3社からキリンとほぼ同様の効果を表示したノンアルコールビールや、高血圧の人向けの清涼飲料水などを販売予定だ。12日時点で消費者庁は機能性表示食品として計37件の届け出を受理しており、今後、販売合戦が本格化していきそうだ。
機能性表示食品制度とは
食品や飲料などが体にどのように良い影響を与えるかについて、企業の責任で商品の包装や容器、広告に表示できる制度。政府が成長戦略の一環で4月1日に導入した。政府が実際に健康に良い効果があるかを審査し、「お墨付き」を与える「特定保健用食品(トクホ)」と違い、企業が定められた様式にのっとって「機能」があると主張する科学的根拠を公表し、効果の有無の判断を消費者に委ねているのが特徴だ。企業にとっては、トクホの認可を得るより短期間(届け出から60日)で商品に表示できるメリットがある。ただ、消費者団体などから「科学的根拠が分かりにくい」と効果を疑問視したり、制度の見直しを求めたりする声も出ている。
何が違う?「トクホ」と「機能性表示食品」
トクホは許可までに時間も費用もかかり、人に対する試験も必須なため大変なので、企業が安倍政権に「なんとかして」とお願いして生まれたのが「機能性表示食品制度」です。「機能性表示食品」は販売の60日前までに根拠を示した論文を消費者庁に届け出て許可を得ればオッケーなのでトクホと比べると非常に簡単に「機能性表示食品」という名称を得ることができます。
トクホに比べて国が責任を持つ部分はとても小さくなるのに、企業の責任だけで表示できる効能はこれまで不可能だった領域(目・肌・髪など体の部位)にまで踏み込めるなど矛盾を持った制度と言われています。
「企業に甘く」「個人はどうでもいい」という安倍政権の姿勢が鮮明に打ち出された制度かと思います。注目度はとても低いですが、油断していたら確実にやられますので気をつけてください。