21日イギリスで財務省から社会保障費を年間2兆円以上削減する方針が発表されました。ロンドンでは20日この緊縮政策に対する数万人規模のデモが起きています。
英、2兆円超の緊縮策 財務相表明http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-23/2015062307_01_1.html
英国のオズボーン財務相は21日、英紙サンデー・タイムズへの寄稿で、社会保障費を中心に年120億ポンド(約2兆3000億円)を削減する方針を示しました。英国では20日、緊縮政策に抗議する数万人規模のデモが起きていましたが、こうした声を無視し、福祉切り捨ての大なたを振るう姿勢を明確にしました。
オズボーン氏とダンカンスミス雇用・年金相は寄稿の中、英国の豊かな社会保障が「人々を給付金に頼る生活に誘導している」と主張。「福祉依存という有害な文化とたたかう」として、「年120億ポンドの(歳出)削減を実現する全ての手順を詳細に設定する」と述べました。
具体策としては、▽1世帯あたりの福祉利用限度額の制限▽子育て世帯への税控除の制限▽25歳以下への住宅手当の廃止―などを盛り込むとみられます。新予算案は、来月8日に発表される予定です。
20日行われた反緊縮デモでは、参加者たちが「緊縮策に終止符を」などと書かれたプラカードを手にロンドン中心部を行進。「社会保障費ではなく軍事予算の削減を」「保守党は退場せよ」と声を上げました。
ロンドンで大規模な反緊縮財政デモ(恐らく、日本の国会前の安保反対デモより大規模)。 英語のブルームバーグ記事 http://t.co/a52ejRijrN によると、英国保守党政権は来月、2018年までに30億ポンド(約5.7兆円)の予算削減案を公表する予定とのこと
— 廣宮孝信 Y.Hiromiya (@YNHiromiya) 2015, 6月 20
March about to begin #endausteritynow https://t.co/iTj39vOlxl
— James Cropper (@JamesCropper95) 2015, 6月 20
2018年までに300億ポンド(約5.7兆円)の予算を削減する政策案は、ブルームバーグ記事によると「英国(政府)の黒字回復に資するため」とのことです。日本の安倍内閣による閣議決定に基づく「2020年までにプライマリーバランス黒字化」とあまりにも似ていますが、ただの偶然でしょうか?
そして、22日に発表された安倍政権による社会保障政策の削減案。イギリスの社会保障政策の削減案の発表と1日違いですが、これもまた偶然ですか?
【骨太】「弱者には厳しく」を貫く骨太の方針。社会保障費抑制「今後3年間で政府試算5.5兆円増を1.5兆円に抑える方針」差額の4兆円は誰が背負うのか?
なんだかアホらしくなってきますが、それでもイギリスでは社会保障削減案に対して数万人規模のデモが行われています。それに対して、日本ではほぼ同じような状況でも全く話題になりません。我々ももっともっと注意深く政治家を監視して、おかしなことをさせないようにしていかなければなりません。