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【話題】「副作用のない抗がん剤(P-THP)」が広まらないのは製薬会社のせい?

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全身転移のがんが消えた…常識破り「副作用のない抗がん剤」誕生秘話

ただし、これが転移したりするとやっかいである。外科手術ができないから、あとは抗がん剤となるが、これが問題なのだ。なぜなら、がん種にもよるが、ほとんど役に立たない。抗がん剤で治る可能性はわずか5%なのである。

がんで死んだのか、抗がん剤の副作用で死んだのかわからないことがよくあるのはこういうことである。

抗がん剤はなぜ効かないか。なぜ副作用があるのだろうか。そのことがわかれば、逆にこのP-THPが、通常の抗がん剤よりも治癒効果が高く、副作用がない理由も理解できると思う。

抗がん剤を点滴しても、がん細胞に到達したときは、点滴した量の100分の1以下に薄まっていることがその理由の一つだ。

では、薄まってもいいように、最初から100倍投与すればどうか。

こんな実験がある。抗がん剤が、がん細胞を殺す量はわかっているので、その量が腫瘍に届くように投与したらマウスはすべて死んだという。人間も同じで、がん細胞が死ぬ量を投与して、人間が耐えられる抗がん剤は存在しない。

つまり、どんな理屈をこねようとも、理論的に抗がん剤は効かないということだ。

抗がん剤とは、患者を生きるか死ぬかの瀬戸際まで追い込んで、運良く腫瘍の方が先に死んでくれればラッキーという、まるでバクチのような「薬」なのである。

がんと闘うためには、これらの欠点をクリアしたものでなければならない。正常な細胞を殺さず、がん細胞にとって致死量にあたる毒物を一気に降り注ぐ抗がん剤だ。それが前田教授の開発したP-THPだった。

分子生物学の権威であるアメリカのロバート・ワインバーグ博士によれば、転移していないがんで死亡するのは約10%、残りの90%は転移したがんで死んでいるという。つまり、抗がん剤は転移したがんに効かなければ治せないということだ。

従来の抗がん剤は転移したがんには効かなかったが、P-THPは先に述べた3つのステップで転移したがん細胞にも薬剤が届くのである。

発見というのは、あとで振り返ってみたら、あまりにも単純すぎて驚くことがよくある。ピラルビシンという古い抗がん剤にポリマーをくっつけただけなのに、従来の抗がん剤とは違う、まったく新しい抗がん剤が誕生したのである。

こんなすごい抗がん剤なら、なぜ保険薬にならないのだろうか。

保険薬にするには製薬会社が関わる必要がある。ところが、P-THPに使われた抗がん剤は、古い抗がん剤で薬価も決まっているから、何千万という高額な値段をつけられない。つまり、企業にとって大きな利益をもたらさないということである。

2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智さんは、前田教授の研究を《癌との闘いに光明を示した一科学者の独創的な戦略と優れた戦術》と絶賛したが、製薬会社はそういうふうには見ないのである。

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以下ネットの反応。

「副作用のない抗がん剤P-THP」の前田浩教授からメールが来た!
その日のうちに、大学研究所名、住所、電話、ファックス番号、ご本人の署名付きの返信がありました。

何という腰の低い、謙遜な、そして温かいメール!

がんになっても「抗がん剤」治療だけはしたくない(切るのもイヤだけど)と思ってますが、この薬ならちょっと試してみたいと思いました。

「前田浩教授」のお名前を覚えておきます。

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