目くばせとまばたきの違いを述べよ。2006年5月、国会でこう質問したのは当時の保坂展人(のぶと)衆院議員だ。法務省の局長は直接には答えず、保坂氏が代わって説明した。
「目くばせは意思の伝達行為であり、サイン。まばたきは生理現象だ」
▼珍問答に見えるが、真面目な論戦である。
「共謀罪」の新設が焦点だった。犯罪を実行しなくても、相談して合意するだけで罪に問えるようにする法案だ。
会話による相談がなくても、誰かが誰かに目くばせするだけでも共謀は成立しうる、というのが法務省の見解だった
▼先の局長はさらに、まばたきでも成立すると答えたため、保坂氏に追及されることになった。生理現象が共謀罪になるなら、人類はみな共謀罪ではないかというわけだ。人権侵害の危険性をよく表す攻防だった
▼そもそも日本では、犯罪は「既遂」での処罰が基本で、「未遂」は例外、着手前の「予備」はもっと例外だ。さらにその前段階の共謀で罪を問うのはこの原則に反するとの批判があった。政府はこれまで3回法案を出し、いずれも廃案になっている
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以下ネットの反応。
◆共謀罪はなぜ過去3回廃案になったのか(保坂展人さん)
やや長文ですが、この間の経緯と問題点がとても分かりやすくまとめられています。お時間のあるときにぜひご一読を。https://t.co/iVIgJtYo7M— 盛田隆二📎🖇 (@product1954) 2017年1月22日
かつて共謀罪審議の野党メンバーだった保坂展人区長の解説。さすがに論点がまとまっている。与党が一時は対象犯罪を120あまりに減らしながら、今回振り出しに戻したことなどが論証されています。https://t.co/ogCC52G9dA
— 谷津憲郎 (@yatsu_n) 2017年1月23日
かつて共謀罪をめぐる国会論戦を担った保坂展人・世田谷区長による論考。3回廃案になった相応の理由がよく理解できる。必読。それにしても、対象犯罪を絞り込んだかに見せる現政権側の偽装が悪質である。→共謀罪はなぜ過去3回廃案になったのか https://t.co/GAZRJZhAIW
— ネコには都合が多い (@TryToFollowMe) 2017年1月25日
何かモヤモヤしているのが晴れました。そう!法案名のテロ等準備罪。テロ対策なのに等ってなによ。→共謀罪はなぜ過去3回廃案になったのか https://t.co/asoZKVVSp0 @HuffPostJapanさんから
— 平景清 (@t_kagekiyo) 2017年1月25日
要は言いがかりでも罪人にすることが出来る法案だからね。
戦時中の特高警察と全く同じ。#共謀罪 #安倍政権#ファッショ共謀罪はなぜ過去3回廃案になったのか https://t.co/q68rCBpEed @HuffPostJapanから
— はいど (@hide3172) 2017年1月24日
安倍首相が「訂正云々(うんぬん)」を「でんでん」と読んだことが話題になっているが、「今「共謀罪]と呼ぶのはまったくの間違い」と衆参本会議で誤って力説したことの方が問題ははるかに大きい。「共謀行為が犯罪となる」のは共謀罪そのもの。 https://t.co/UImJzAN1Hx
— 保坂展人 (@hosakanobuto) 2017年1月25日
こんなギャグみたいな話が国会で真剣に討論されていたんですね。10年でどれだけ法務省がまともになったのかわかりませんが、「まばたき」するだけで罪になっちゃうのは勘弁してほしいものです。