自民党の磯崎首相補佐官が大分市での国政報告会で安保法案について、「我が国を守るために必要な措置かどうかで、法的安定性は関係ない」などと発言し波紋を呼んでいます。
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憲法解釈変更「法的安定性は無関係」 礒崎首相補佐官http://www.asahi.com/articles/ASH7V5T5MH7VULFA004.html
時代が変わったから、集団的自衛権でも我が国を守るためのものだったら良いんじゃないかと(政府は)提案している。考えないといけないのは、我が国を守るために必要な措置かどうかで、法的安定性は関係ない。我が国を守るために必要なことを、日本国憲法がダメだと言うことはありえない。
来年の参院選は、憲法改正が絡む話でしっかりと勝たなければならない。参院もできれば、自民党で単独過半数を取りたい。その中で憲法改正を有利に進めたい。
法的安定性の意味
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/255719
法的安定性とは、簡単に言うと、「法はみだりに変更されない」という民主主義国家・法治国家の大原則です。時の政権が法の解釈をむやみやたらに変えてしまったら、その法の支配による秩序、それがもたらす社会の安定、国民生活の安定が揺らいでしまいますから。だからこそ安倍政権も、今回の安保法制しかり、昨年の集団的自衛権の行使容認の閣議決定しかり、「合憲だ」と強弁し、「なぜなら法的安定性は大事だから!」と言ってきたわけです。
中国に対して強硬な態度に出る時も、「法の支配は大事なんだ」「だからルールを守れ」というロジックで批判していました。しかし、今回の礒崎補佐官の発言は、その安倍総理がなんとかごまかしてきた、「法的安定性は守ってますよ」という主張を、真っ向から吹き飛ばすものなのです。
普通だったら「どうしてくれるんだ!」と怒り心頭もので、即、更迭が当たり前のレベルの話です。でも、そうはならないのが安倍政権。なぜか。それは、この礒崎補佐官の発言は安倍政権の「本音」だからではないでしょうか。
それを裏付けるように、今回安倍総理は「電話で注意」しただけで、28日に安倍総理が礒崎氏を含む何人かの自民党議員と会食した時には、その話は一切総理の口から出なかったそうです。赤ら顔で会食を終えて出てきた礒崎氏がそう語っていました。
昨日の国会で、民主党の広田一議員がその事を質すと、「前に電話で注意したので(必要ない)」と安倍総理。つまり面と向かっては一切注意してない、それどころか、一切処分するつもりもないようです。安倍総理にとって、この法的安定性の問題は、ちょっと電話で注意すれば済む話のようです。
法の支配を軽んずるとは、人の支配が幅を利かすということ。権力者の胸先三寸ということです。それは常日頃、安倍総理自身が批判してやまない北朝鮮や中国の体制と同じということではないでしょうか。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150727-OYT1T50021.html
ただ、安倍首相は衆院での法案審議で、集団的自衛権の限定容認について「法的安定性に十分留意した」と繰り返し述べてきた。礒崎氏の発言は、27日から始まる参院での法案審議で、野党の批判を招く可能性もある。
「法的安定性は関係ない」 総理側近の発言 広が... 投稿者 tvpickup
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以下ネットの反応。
また磯崎節出た。ようするに「憲法なんかいらない」と言ってるのと同じ。さすが「立憲主義ってなに?」とうそぶくだけのことはある
「考えないといけないのは、我が国を守るために必要な措置かどうかで、法的安定性は関係ない」
http://t.co/cDx92reFZZ
— ノード的 (@nodej001) 2015, 7月 27
礒崎氏のこの発言は、安倍首相がよく口にする「法の支配」の否定を意味する重大な問題発言です。普通は思っていても発言は控えるものです。それを堂々と口にする。驕りと狂気を感じます。
【憲法解釈変更「法的安定性は無関係」 礒崎首相補佐官】 http://t.co/5rqCtXige8
— m TAKANO (@mt3678mt) 2015, 7月 27
憲法解釈変更「法的安定性は無関係」 礒崎首相補佐官:朝日新聞デジタル http://t.co/1bJmikyofo
「法的安定性は関係ない」は、内輪の会合での発言だろうが、あまりにもひどすぎる発言だ。政府が解釈すれば何でもできる世の中になったら恐ろしい。
— T.INOKUCHI / 井口 隆 (@nied_inok) 2015, 7月 26
「来年の参院選は自民単独で過半数を取りたい」磯崎陽輔
首相補佐官が「公明党はもういらない」ってさ。
どうする?公明党?
憲法解釈変更「法的安定性は無関係」 礒崎首相補佐官:朝日新聞デジタル http://t.co/wrjVx0e7sH
— れっどゴルゴ@Anti-fascism (@RedGolgo) 2015, 7月 26
首相補佐官が公の場でむちゃくちゃな論理
ひどい国になったものだ
「我が国を守るために必要なことを、日本国憲法がダメだと言うことはありえない」
http://t.co/K5lgOWL35C
— sakuragi yoshimichi (@nebuta) 2015, 7月 26
来年の参院選は、自民党で単独過半数を取りたい。 礒崎首相補佐官 http://t.co/sbnAQkavwK
「公明党はもういらない」宣言来ました。
しかし、これは、完全にタイミングを誤った自爆発言でしょう。安保法案の廃案決定です。
— 豊玉 (@toyotama1968) 2015, 7月 26
政府の解釈変更を容認する私でも呆れる余りに粗雑な議論。政府解釈の変更には論理的整合性と法的安定性が必須であるというのは歴代政府が言い続けてきたこと。>>憲法解釈変更「法的安定性は無関係」 礒崎首相補佐官:朝日新聞デジタル http://t.co/pjaOzq7Vfp
— 長島昭久 (@nagashima21) 2015, 7月 26
日本を守るために必要かどうかは主権者たる日本国民が判断するだよ、礒崎くん。必要だと判断すれば憲法改正されるの。まだ理解できないの?
憲法解釈変更「法的安定性は無関係」 礒崎首相補佐官:朝日新聞デジタル http://t.co/uUwwi3qC1U
— T-T (@tcy79) 2015, 7月 26
えらい時代になってきたなあ。時の為政者の独断でコロコロ変えられる憲法ってそれ憲法なんだろうか。冗談抜きに、日本国憲法が名目的憲法の例に挙げられるようになる日はすぐそこなのかもしれない/ 憲法解釈変更「法的安定性は無関係」礒崎首相補佐官 http://t.co/bxq433iTYI
— Maruyama Yuki (@yukimwk) 2015, 7月 26
磯崎氏は「我が国を守るために必要なことを日本国憲法がダメだと言うことはありえない」と言うが「我が国を守るため」がくせ者。「自存自衛のため」と言って無謀な戦争に突入したのは74年前だ。
【憲法解釈変更「法的安定性は無関係」 礒崎補佐官】 http://t.co/5rqCtXige8
— m TAKANO (@mt3678mt) 2015, 7月 26
先月には、安保法案の説明で戦争を火事にたとえ、「戦争は火事じゃない」と18歳女子に論破され遁走した事件を起こした磯崎首相補佐官ですが、今月は「法律を決めるのに憲法なんて関係ない」と言っています。
【マジか】礒崎首相補佐官を論破した18歳女子「ほなみさん」はおっさんじゃなく実在の若い女性だったとのこと。
最近、野党議員やコメンテーターから「クーデター」という言葉がよく出ます。
クーデター(仏: coup d'État)とは一般に暴力的な手段の行使によって引き起こされる政変を言う。
まさしく今の自民党のやり方を的確に表している言葉だと思います。我々は暴力的な政権を圧倒的多数の国民の声で鎮圧しなければなりません。
しかし、首相補佐官という立場にある自分が今の時期にこんな発言をしたらどんなことになるかということが、把握できなくなってるんでしょうね。文化芸術懇話会やほかの自民党議員の発言を聞いていてもそうですが、自民党内が「狂った空気」で満たされていることが強く感じられます。