「ふざけるなという奴がいたら許さない。LGBTも私のような伝統保守主義者から言わせれば充分ふざけた概念だからである(中略)彼ら(編集部注:痴漢症候群)の触る権利を社会は保障すべきではないのか。触られる女のショックを思えというか。それならLGBT様が論壇の大通りを歩いている風景は私には死ぬほどショックだ、精神的苦痛の巨額の賠償金を払ってから口を利いてくれと言っておく」
とも書き綴っている。なお、本文中ではLGBTなどの性的マイノリティを性的「嗜好」と書いているが、これが意図的なのか誤植なのかはわからない。
「酷すぎて何を言っていいのか途方に暮れるレベル」掲載内容に疑問相次ぐ
ネットでは、今回の特別企画について新潮社の意図を汲みかねる人も多い。「出版社としてのスタンスに疑問を感じる」「新潮45チラッと読んだけど、さすがに酷すぎて何を言っていいのかも途方に暮れるレベル」など、否定的な感想は少なくない。
特に小川氏の文章について、一般社団法人fairの代表理事で、自身もゲイの松岡宗嗣さんはツイッターで「酷すぎる」と苦言を呈していた。他にも「小川榮太郎さんの文章、このあとめちゃくちゃ炎上すると思います」など、不快感を示す読者が散見された。
スポンサーリンク
以下ネットの反応。
「新潮45」の特集に胸蓋がれる思いでいたら、同誌への批判的意見を、同じ新潮社の文芸アカウントが次々にリツイートしているのを知った。一度全削除されてもまた復活した。
組織の中で闘う困難を、↓固定ツイートのこの信念が上回ったということか。
どうか頑張って。皆、出版人の良心を信じたいんだ。 https://t.co/1rZiX3ELpK— 村山由佳(時々もみじ) (@yukamurayama710) 2018年9月19日
新潮社出版部文芸のアカウント @Shincho_Bungei が、『新潮45』がヘイト論文掲載について開き直り正当化する態度を今月号で表明したことに対し、批判する人たちのツイートを、ガシガシとリツイートしています。社内で戦っている社員やスタッフたちがいるのです。私はその人たちと共にありたい。
— 星野智幸Tomoyuki Hoshino (@hoshinot) 2018年9月19日
新潮社出版部文芸(@Shincho_Bungei)さんが、『新潮45』を批判するツイートのRTを再開した。新潮社内の編集者が懸命にSOSを発信している。
御社から長編小説を刊行した小説家の一人として、皆さんの勇気ある行動に心から賛同します。がんばれ! https://t.co/ophUwI2wrH— 盛田隆二 (@product1954) 2018年9月19日
話題の「新潮45」の「杉田水脈論文擁護特集」をじっくり読んだ。読むんじゃなかった……。小川論文とか、これ、「公衆便所の落書き」じゃん。こんなの読ませるなよ、読んでる方が恥ずかしくなるから! あと、事実でおかしいところが散見されたのだが、最強の新潮校閲部のチェック入ってないの? 謎だ。
— 高橋源一郎 (@takagengen) 2018年9月19日
若杉良作編集長が『新潮45』の編集長に就任したのは2016年9月号から
→https://t.co/Og0RfE0AXq就任当時の同誌の印刷証明付き発行部数は20,567部。
最新の印刷証明付き発行部数は16,800部。商業的な理由で同誌の「炎上マーケティング」を続けさせるなら、もはやそれは新潮社の経営者たちの問題。
— 津田大介 (@tsuda) 2018年9月19日
熟慮の末、新潮社の新刊については当面仕入れを見合わせる事にしました。『新潮45』について、出版部文芸を始め社内でも忸怩たる思いを抱えている人たちがいるのは承知していますし、当店が販売を止めても何のダメージにもなりませんが、そう決断する本屋がいくつかはあっても良いだろうと思います。
— 谷中・ひるねこBOOKS (@hirunekobooks) 2018年9月19日
性加害する権利を主張する男って、少なくない。少女に対する性犯罪に関する活動しているとよく言われるけど、犯罪ですよ。性暴力が起きる背景、対等ではない支配と暴力の関係性、制御不可能とか勝手に言ってないで勉強してください。こんなもの載せる新潮45、終わってる。 https://t.co/lOyqOlRtCA
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) 2018年9月19日
「新潮45」で小川榮太郎氏「満員電車に乗った時に女の匂いを嗅いだら手が自動的に動いてしまう、そういう痴漢症候群の男の困苦こそ極めて根深かろう。……彼らの触る権利を社会は保障すべきでないのか」
書き写すのも苦痛。痴漢は犯罪だ、犯罪が権利か。— 上丸洋一 (@jomaruyan) 2018年9月19日
いろんなトンデモを見てきたけど、小川栄太郎の「彼ら(痴漢)の触る権利を社会は保障すべきではないのか」に至っては、筆者だけじゃなく掲載した新潮45編集部の正気を疑うわね
— \江戸西/ (@edonowest) 2018年9月19日
新潮45 ほんとにひどいです。私はここまでおかしくなかったころに一度だけ原稿依頼されて引き受けましたが、その時も編集が「お恥ずかしながら、やはり保守ネタは売れるので…」と言っていて「この編集さんも大変だな」と思っていました。まだ編集部にいるのなら早く逃げてくれ。
— 金田淳子|オトコのカラダはキモチいい増補文庫発売中! (@kaneda_junko) 2018年9月18日
『新潮45』、小川榮太郎氏の寄稿の一部。慄然とする。
「満員電車に乗った時に女の匂いを嗅いだら手が自動的に動いてしまう、そういう痴漢症候群の男の困苦こそ極めて根深ろう。再犯を重ねるのはそれが制御不可能な脳由来の症状だという事を意味する。彼らの触る権利を社会は保障すべきでないのか」 pic.twitter.com/rJqmyYRvop— 武田砂鉄 (@takedasatetsu) 2018年9月18日
新潮45「杉田水脈擁護特集」の、特に小川榮太郎氏の文章は酷すぎた。一部紹介すると「性的嗜好など他人に見せるものではない、迷惑だ。倒錯的で異常な興奮に血走り、犯罪そのものでさえあるかもしれない」「性はXXのメスかXYのオスしかいない。雄しべ雌しべ以外に『レズしべ』『ゲイしべ』など無い」
— 松岡宗嗣 (@ssimtok) 2018年9月18日
『新潮45』編集部は、新潮文庫で『仮面の告白』を読んでみたらどうか。読者として、新潮社の本で僕の人生は変わったし、小説家としてデビューし、代表作も書かせてもらった。言葉に尽くせない敬愛の念を抱いている出版社だが、一雑誌とは言え、どうしてあんな低劣な差別に荷担するのか。わからない。
— 平野啓一郎 (@hiranok) 2018年9月19日
せっかく沈静化したのに、また杉田水脈氏に注目が。いいこと。