東京や大阪など7都府県の指定からわずか9日。緊急事態宣言の対象区域が全都道府県に拡大された。政府は大型連休中の人の移動を抑えると説明するが、もともと対象区域の知事は域外への移動自粛を促すことができるため、「全国拡大は不要」との見方が強かった。決断の背景に何があったのか。
当初、対象区域を全国にまで拡大する案には、政府内から否定的な意見が出ていた。政府高官は地域経済への打撃を念頭に「考えとしてはあるが、それはよくない」と話していた。
担当の西村康稔経済再生担当相は「大型連休期間中における人の移動を最小化する、そのための対応を取ることが急務だ」と、全国拡大の理由を説明した。しかし、政府が定めた基本的対処方針には、「不要不急の帰省や旅行など、都道府県をまたいで人が移動することは、まん延防止の観点から、極力避けるよう、(中略)住民に冷静な対応を促す」とあり、対象区域の都道府県が移動自粛を促すことができるとされている。政府としてはすでに対策を取ってきているのが実情だ。
むしろ首相の政治決断の背後に見え隠れするのは、公明党からの圧力を受けて余儀なくされた現金給付をめぐる政策変更だ。首相はこの日、緊急経済対策の「目玉」だった所得が減収する世帯向けに30万円を給付する案に替え、新たに全国民一律に1人あたり10万円を給付することを決定した。
政権幹部はこの政策変更について、「宣言を全国に拡大するから一律10万円になった」と説明したが、額面通り受け取る与党議員は少ない。自民幹部の一人は「公明党に言われたからやりますっていうわけにはいかない」と語り、緊急事態宣言の拡大を一律10万円給付への政策変更の「口実」にしたとみる。別の党幹部も「宣言の対象は広くした方が良い。その方が補正を組み替える理由になる」と漏らした。党ベテラン議員は「10万円の給付金にする理由として緊急事態宣言を政治利用している」と言った。
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以下ネットの反応。
〈「公明党に言われたから(一律10万円)やりますってわけにはいかない」と自民党幹部。緊急事態宣言の全国拡大を給付政策変更の口実にした、とみる。別の党幹部も「宣言の対象地域は広いほうが補正組み替えの理由になる」と。党ベテラン議員は「緊急事態宣言の政治利用だ」〉https://t.co/m9wwyXDKuF
— 冨永 格(たぬちん) (@tanutinn) April 16, 2020
日本医師会の釜萢敏・常任理事は「なんで47都道府県になるのか。唐突だ」と全国への宣言拡大に驚く。自民幹部の一人は「公明党に言われたからやりますっていうわけにはいかない」と語り、緊急事態宣言の拡大を一律10万円給付への政策変更の「口実」にしたとみる。https://t.co/YfXZ2pPdMV
— 福地慶太郎(朝日新聞記者) (@kei_fukuchi) April 16, 2020
常に“政治的保身”のことしか考えない安倍晋三政権。替えるべき。「全国拡大は不要」のはずが 見え隠れする「10万円」:朝日新聞デジタル https://t.co/Z3r6QEXOPf #新型コロナウイルス #緊急事態宣言
— 松本建速 (@Takehaya_Emishi) April 16, 2020
10万円の給付金にする理由として緊急事態宣言を政治利用している。
「全国拡大は不要」のはずが 見え隠れする「10万円」:朝日新聞デジタル https://t.co/3BCoDkQ5Gv #新型コロナウイルス #緊急事態宣言
— くろすけ (@55kurosuke) April 16, 2020
緊急事態宣言の拡大を一律10万円給付への政策変更の「口実」にしたとみる・・・
「全国拡大は不要」のはずが 見え隠れする「10万円」:朝日新聞デジタル https://t.co/rKduvsAyqR #新型コロナウイルス #緊急事態宣言
— 右傾化を止めなきゃ未来は無い (@tukinosizuku88) April 16, 2020