■良識を味方に付け
直近では野党主導で政策を前に進めることができたのが待機児童問題と、天皇の生前退位問題だった。
私が待機児童問題を国会で取り上げた際に安倍首相は不意打ちを食らったかのようだったが、世論の反響もあって政策の流れが変わった。天皇の生前退位については政府側の有識者会議が報告書をまとめる前に、民進党が論点整理を仕上げたことで議論を主導することができた。
数の力で負けている状況下では、その力を超える良識をいかに早い段階で味方に付けることができるかが極めて重要になる。
憲法論議はこれまで常に安倍政権が先行してきた。それは一方で、自己目的化した改憲というみっともなさの露呈でもあった。だが選挙を経て自民党、公明党だけで3分の2の議席を占める現状では、もはや改憲発議は避けられないと考えた方がいい。
安倍政権の憲法に対する姿勢は極めて軽佻浮薄(けいちょうふはく)であり、到底まともな議論などできはしないが、そう言っているだけでは押し切られる可能性が極めて高い。
では軽佻浮薄ではない正統な憲法論議、立憲的改憲のありようとは何なのか。与党に先行し、論点を網羅する形で示すことが重要になってくる。
勝負は年内だと思っている。
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以下ネットの反応。
「一文字も変えさせない護憲派」という呼称は、今の憲法はアメリカの押しつけだからダメ(自主憲法制定)と主張する方々が、それに反対する人たちを揶揄したもので、現実にそう考える人は極めて少数です。現実の認識が間違っているような気がします。https://t.co/h7wnku6SDg
— 明日の自由を守る若手弁護士の会/あすわか (@asuno_jiyuu) 2017年11月9日
肝心な点が抜けていて危なっかしい。コントロールと表裏一体に自衛隊を明記するにしても、安保法制が今のままではそれを追認することになる。立憲民主の枝野代表がいつも強調しているのもそこ。
山尾氏が語る(下)改憲論議に先手打つ https://t.co/yr7xrMBeDW
— 布施祐仁 (@yujinfuse) 2017年11月9日
神奈川新聞の山尾氏インタビューは結局、倉持弁護士の政策顧問就任を正当化するための議論にしか見えない。倉持氏の口を借りて憲法や安全保障を語ってきた神奈川新聞にとっても、倉持氏には復権してもらわなければ困る。要するに動機が不純なのだ。https://t.co/YEK5WOSOM9
— 佐藤 圭 (@tokyo_satokei) 2017年11月9日
時代の正体〈551〉改憲論議に先手打つ 山尾志桜里氏が語る(下) https://t.co/FFQbAxCAxG #神奈川新聞
私は、自衛隊は「防衛行政」の範囲という従来の法制局解釈が妥当だと考えます。また、憲法裁判所新設ではなく、内閣法制局の自律性を高めれば良いと思います。— 木村草太 (@SotaKimura) 2017年11月9日
これが第三弾。最初の政権批判が続くくだりは既視感がある論理だが、山尾さんの新しく打ち出した立場は国会による統制をはじめ、対案の可能性が示されているところ。文民統制の強化は総理も党首討論で言及しているはず。
改憲論議に先手打つ 山尾志桜里氏が語る(下) https://t.co/upTmpKs1Mi— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) 2017年11月8日
自民党(や背後の日本会議)が進める改憲に危機感を持って反対する人たちをまとめて「一文字も変えさせない護憲派」と揶揄して現実には存在しない対立構図を示す、それは安倍政権の手法そのものです。この点に同調なさるのは、ちょっと残念です。 https://t.co/h7wnku6SDg
— 明日の自由を守る若手弁護士の会/あすわか (@asuno_jiyuu) 2017年11月9日
山尾さんのこの理屈には同意しかねる。
時代の正体〈551〉改憲論議に先手打つ 山尾志桜里氏が語る(下) https://t.co/AJH8r4n8Da #神奈川新聞— はるみ (@harumi19762015) 2017年11月9日
改悪の前に、より立憲主義的に権力者を縛る内容に改正しようという発想。同感です。
→時代の正体〈551〉改憲論議に先手打つ 山尾志桜里氏が語る(下) https://t.co/4YXMwNPfqw @カナロコ・神奈川新聞さんから— 木野龍逸 (Ryuichi KINO) (@kinoryuichi) 2017年11月9日
だが選挙を経て自民党、公明党だけで3分の2の議席を占める現状では、もはや改憲発議は避けられないと考えた方がいい。
安倍政権の憲法に対する姿勢は極めて軽佻浮薄(けいちょうふはく)であり、到底まともな議論などできはしないが、そう言っているだけでは押し切られる可能性が極めて高い。
かなり挑発的な文章で議論を呼んでますが、ポイントはここじゃないかと思います(3回ほど読んだ結果)。
3分の2の議席を占めた安倍政権下での、秘密保護法・安保法・共謀罪の成立の仕方を考慮すれば、まともに批判していては押し切られ発議、国民投票で改憲になる可能性が高いというのは、説得力のある話です(悲しいかな)。
「だったら野党がまともな憲法案を提示して議論するべき」というのは、安倍政権がいつものようにごまかした場合に、「野党のまともな憲法案」が国民に対しての説得力となる可能性はあります。
この「安倍改憲に乗るかも知れない」対案路線に批判が出るのはわかりますが、3分の2を取られている以上、思い切った手法が必要なのかも知れません。