天皇陛下は即位後、毎年欠かさずに全国戦没者追悼式に出席して「おことば」を述べてきた。例年大きな変化はなかったが、今年は「さきの大戦に対する深い反省」を始め、新しい表現が盛り込まれた。
「戦争による荒廃からの復興」
「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」
「戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき」
いずれも同式典では初めての言及で、宮内庁関係者によると、ご自身によって直前まで練り上げられた。
天皇陛下のおことば全文 戦没者追悼式
「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。終戦以来既に70年、戦争による荒廃からの復興、発展に向け払われた国民のたゆみない努力と、平和の存続を切望する国民の意識に支えられ、我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき、感慨は誠に尽きることがありません。
ここに過去を顧み、さきの大戦に対する深い反省と共に、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心からなる追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。
平成26年度の戦没者追悼式での陛下のお言葉
本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。終戦以来既に69年,国民のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが,苦難に満ちた往時をしのぶとき,感慨は今なお尽きることがありません。
ここに歴史を顧み,戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い,全国民と共に,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。
安倍首相、アジアへの加害責任に触れず 戦没者追悼式
安倍晋三首相は式辞で「戦争の惨禍を決して繰り返さない」とする一方、アジア諸国への加害責任には今年も触れなかった。正午の黙禱(もくとう)に続き、天皇陛下は「おことば」で「さきの大戦に対する深い反省」と、追悼式では初めての表現を使った。首相の式辞では1993年の細川護熙氏以降、アジア諸国への「深い反省」と「哀悼の意」などを表明し、加害責任に言及することを踏襲してきた。だが、安倍首相は3年続けて加害責任への言及を避けた。
「終戦の日」70回目迎える、戦没者追悼式
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以下ネットの反応。
妄想だけで生きている安倍首相とは
人間の質が違う。
空疎な安倍終章の言葉とは違い、
自らの体験と天皇としての「心」が
天皇の言葉にはしみ込んでいる。 http://t.co/h1tzJvPgJC
— Inomata (@sachiko_ino) 2015, 8月 15
「『戦争が次第に忘れられていくという、陛下には焦りにも近い気持ちがあるのでは』。そんな思いが今回のおことばに表れたのだろう、と側近はみる」朝日新聞デジタル:天皇陛下「さきの大戦に深い反省」 戦没者追悼式で言及 http://t.co/KXqE2VaEOz
— 黒沢大陸 (@k_tairiku) 2015, 8月 15
何を言ってるのかわからない安倍70年談話に比べて、キッパリと伝わる。
『天皇陛下「さきの大戦に深い反省」 戦没者追悼式で言及』朝日新聞デジタル http://t.co/9nQIJH6hAK
『天皇陛下のおことば全文 戦没者追悼式』 http://t.co/Zw7izrBDH3
— きづのぶお (@jucnag) 2015, 8月 15
初めて先の大戦への「深い反省」に言及した天皇と、今年もアジアへの加害責任に触れなかった安倍首相とのコントラスト。
天皇陛下「さきの大戦に深い反省」 戦没者追悼式で言及:朝日新聞デジタル http://t.co/pWEfRBrTvB
— 豊 秀一 (@yutakas5) 2015, 8月 15
安倍の愚かさは国際緊張を高める。その緊張を和らげるために天皇はしなくて良い苦労をさせられているなぁ。
天皇陛下のおことば全文 戦没者追悼式:朝日新聞デジタル http://t.co/Upr3Gr7PTe
— 有田和生 (@ka1206) 2015, 8月 15
安倍という時代錯誤の復古主義者によって逆説的に天皇の存在感が増しつつある。:天皇陛下のおことば全文 戦没者追悼式:朝日新聞デジタル http://t.co/0ORE1aFmyh
— 湘史薫 (@syoosikun) 2015, 8月 15
何千字を費やしてもどこか第三者的な姿勢で貫くような印象になる方もいれば、簡潔なお言葉の中にいろいろな思いがつまっているのが伝わってくるお言葉もあります。書かれてはいないけど、一貫する「私が」という主語の存在だと思う。/ http://t.co/DV6jLjHfrH
— 根岸敦生 (@Atsuo_NGS_Asahi) 2015, 8月 15
「天皇陛下おことば」の昨年と今年の違いを知りたい方向け。昨年はこちら→http://t.co/iVOKXMJFi0
今年→http://t.co/TgkUysGaih
— 石戸諭(Ishido Satoru) (@satoruishido) 2015, 8月 15
昨年度のお言葉と比較するとすぐにわかるのですが、「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」「さきの大戦に対する深い反省と共に」「戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき」この3つの言葉が付け加えられています。
陛下が今の状況をどれだけ危惧しているのかがわかるお言葉ではないでしょうか。我々は陛下の国民の事を真に考えたお言葉を受け止め行動していかなければなりません。