“戦後最大”GDP-27.8%・・・回復の見通しは?(20/08/17)
感染拡大が止まらないなか、大きく落ち込んだ日本経済。野村総合研究所のエコノミストである木内登英さんに聞きます。
4月~6月のGDP=国内総生産の成長率は年率換算でマイナス27.8%となり、リーマンショック後のマイナス17.8%を上回る落ち込みとなりました。
木内さん:「GDP全体だとこれくらいの数字だと思っていました。しかし、実質雇用者報酬(所得)がマイナス3.7%と大幅に落ち込んだことが予想外でした。“コロナショック”というのは、お金がないから消費をしないというわけではなく、例えば“消費したいのに店が開いていない”“感染リスクがあるから出ない”などの要因で消費が落ちるというのが、他の景気後退と違ったところでしたが、思いのほか、早く所得が落ちていることが確認されました。そうなると7月~9月期に向けて、なかなか消費が戻らない。戻っても4分の1しか戻らないとみています」リーマンショックの時と比べて、何が違い、どう深刻なのでしょうか。
木内さん:「リーマンショックは海外から受けたショックで、金融危機の問題が非常に大きかったです。日本ではドルの調達が難しくなり、原材料の輸入に影響が出て、国内の製造業の生産ができなくなりました。リーマンショックで影響を受けたのは、グローバル企業や大型製造業の大企業でした。今回は、国内の消費が弱くなっています。飲食や観光関連のサービス業に影響が出ていて、リーマンショックとは傷ついた産業が違います。リーマンの時はショックが大きかったが、金融の問題が緩和され、輸入もできるようになり、翌四半期には半分くらいに戻りました。今回は、影響を受けた外食やアミューズメントなどの業種は、行けるようになったから行くといっても、毎日、行くわけではない。一度失われた消費は元に戻りにくいので、 経済の戻りが弱く、低迷した状態が長く続くと思います」同じ時期のアメリカの実質GDP成長率がマイナス32.9%、EU=ヨーロッパ連合はマイナス40.3%で、日本の方がまだ落ち込みは小さいですが、これはどう見ればいいのでしょうか。
木内さん:「違いは規制の度合い。日本は強制力がない特措法で、緩い規制だったのに対し、欧米は、ロックダウン、都市封鎖をした分の差が出ています。ただ、日本の場合、落ち込みは小さいが、戻りも小さい。すでに所得が落ちているため、消費が弱くなる。さらに、国民性もあると思います。感染のリスクがある間は、消費を抑えようと思う。欧米だと、最悪期が過ぎたと思ったらバカンスに行くなど、日本人よりは楽観的。日本では消費のマインドが、まだ弱い。それが回復力に影響しています」
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以下ネットの反応。
消費が落ち込んだからと見られていたが、実は所得も落ち込んでいた、楽観的な9月期で回復予想はこのままでは暗澹たる結果に終わりそうだ
“戦後最大”GDP−27.8%…回復の見通しは? https://t.co/ZNckLU6GJf
— ミュウタント (@myth21hide) August 17, 2020
V字回復ではなく、政府の無策により、日本経済の破綻が起こる。
政府、支援策は「V字回復」前提 専門家は長期戦を指摘 GDP下落幅戦後最悪:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/NGH2voreNh
— 一分間で学ぶ 成功者の教え (@Words_of_Mentor) August 17, 2020
GDP年27.8%減、戦後最大のマイナス。報ステで、GoToトラベルより感染拡大防止の方が経済を再生させる道と、財界シンクタンクの専門家は「リーマンショックは大企業と金融が中心のダメージ。コロナは中小零細と個人消費中心のダメージ。回復まで5年はかかる」。新自由主義経済の破たんは明らかだ! pic.twitter.com/IgwKF7PgA5
— 秋間洋 (@taitoukugi) August 17, 2020