人事めぐる事前調整「なかった」 山極前会長が首相答弁に反論<学術会議の任命拒否>
政府と日本学術会議の間で人事の事前調整がなかったのが、会員候補6人の任命拒否の理由だとする菅義偉首相の国会答弁を巡り、当時会長だった山極寿一・京都大前学長は東京新聞の取材に応じ、「事前調整というのは、相互が話をして調整するもの。私は(杉田和博官房副長官と)直接会うことも電話で話をすることも、事務局長を通じて断られた。話し合いたいとの官邸からの誘いもなかった」と反論した。大西隆・元会長ら歴代幹部も調整を否定するなど、菅氏の発言に批判が相次いでいる。(望月衣塑子)
一方、菅氏から「一定の調整が行われていた」と指摘された大西氏も取材に応じ、「官邸に事前説明はしたが、要望を受けて選定過程も含め、事前に何かを調整したということは一切ない」と反論、「2016年の補充人事では官邸が難色を示したが、選考委員会で議論し『官邸の要望は受け入れられない』と判断したまで。調整をしたとは思っていない」と回答した。
大西氏と同時期に選考委メンバーだった別の幹部も「首相は、調整は会長と『内閣府の事務局』との間で行われたと言っているが虚偽だ。会長と事務局が人事で実質的なやりとりをすることはあり得ず、相手はあくまでも杉田副長官。杉田氏を表に出さないために『事務局など』と姑息な説明をしている」と指摘した。
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以下ネットの反応。
違法な人事介入を「事前調整」と称し
今回は事前調整できなかった→6人除外になった
…というのが首相の詭弁の最新版。だが、そもそも〝事前調整〟の話し合いなど
求められてもいない…というのが
学術会議の山極寿一 前会長の指摘。
違法、虚構、詭弁…首相の任にあらず。https://t.co/BXombDAwzG— 東京新聞労働組合 (@danketsu_rentai) November 6, 2020
菅総理の言う「事前調整」とは当事者を抜きにしたものなのか。
やはり、杉田官房副長官を参考人とした集中審議が必要です。https://t.co/NT1NPaBGZT
— 蓮 舫 ・ 立 憲 民 主 党 ( り っ け ん ) (@renho_sha) November 7, 2020
何だ、答弁はまるっきり嘘だったのか。こんなのバレるに決まってるのに何で嘘を付けるのだろう、コドモか?https://t.co/wNnEwyuTCB
— 桜井圭介 (@sakuraikeisuke) November 7, 2020
●首相は、調整は会長と『内閣府の事務局』との間で行われたと言っているが虚偽だ。会長と事務局が人事で実質的なやりとりをすることはあり得ず、相手はあくまでも杉田副長官。杉田氏を表に出さないために『事務局など』と姑息な説明をしている。#菅首相かなり感じ悪いよね https://t.co/Y7BR9qGR9h
— 木村知 (@kimuratomo) November 7, 2020
菅首相「内閣府事務局と学術会議会長が一定の調整をした」
当時の山極会長「私は杉田副長官と直接会うことも電話で話すことも、事務局長を通じて断られた」と反論。大西元会長ら歴代幹部も"調整"を否定
学術会議会長と会わずにどうやって事前調整するのか。菅首相の虚言か?https://t.co/KH6215pKhn
— 盛田隆二Morita Ryuji (@product1954) November 7, 2020
衆参予算委員会を通して菅首相は、「総合的・俯瞰的」とは言わなくなり、「多様性」の矛盾が指摘されると「今回の判断に直結しない」とし、「憲法15条1項に基づき任命権者である総理が…」と強弁。
しかしとうとう「一定の調整」を持ち出し推薦段階での介入を正当化。恣意的排除を認めたに等しい。— 山添 拓 (@pioneertaku84) November 7, 2020