楽しくないことを(うつ病の治療)楽しくやる(ゲームで)という素晴らしいアイディアの下2012年にニュージーランドで開発されたゲームが「SPARX(スパークス)」です。ゲームをしていく過程でうつ病の治療の一つである認知行動療法(CBT)を学んだり、リラックス法(呼吸法など)を学ぶことができます。
寛解率(ほとんど症状が見られなくなる率)も43.7%と、対面での治療と変わらない結果を残しています。
http://healthpress.jp/2015/05/post-1777.html
いまや中高年のみならず若年層にも広がりつつある、うつや不安症――。この問題に対応するため、各国でさまざまな解決策が模索されている。なかでもニュージーランドの児童青年精神科医の率いるプロジェクトチームは、「ゲーム」を使ってこの問題の解決にあたっている。それがこの「SPARX (スパークス)」だ。
SPARXは、認知行動療法(CBT)の「無意識に起こる歪んだ考え方に気づき直していく」というプロセスをゲームに応用したもの。寛解率(ほとんど症状が見られなくなる率)は43.7%と、対面での治療と変わらない結果を残している。
開発リーダーでオークランド大学(The University of Auckland)准教授のサリー・メリー氏は、SPARXが「青年うつ病の、12〜19歳のうつに対する標準的なケアと同程度に有効だった」と報告している。
通常、このようないわゆる「学習ゲーム」は面白くないものが多い。だが、SPARXは十分に楽しめる内容だ。ゲームは7つのステージに分かれており、各エリアは通常30〜45分程度でクリアできるようになっている。これはちょうど、対面のカウンセリングにかかる時間と同程度だ。
プレイヤーはゲーム内のガイドに導かれ、世界を旅し、GNATSと呼ばれる厄介な考え方を退治していく。その過程で「深呼吸法」「怒りの管理」など、さまざまなCBTのテクニックを遊びながら学ぶ。
もちろん"学ぶ"といっても無味乾燥な画面ではない。3Dで構築された異空間を、ネイティブインディアンのようなガイドとともに多様なキャラクターと冒険する。そして、各所にパズルやクエストのような普通のゲームとしても楽しめる要素がふんだんに盛り込まれているのだ。
開発者の「なんとかして若者を救いたい」という気持ちが表れているといえる。
若年化が進むうつや不安症。孤立する若者を救うために、一日も早く日本語にも対応してくれることに期待したい。
1レベル:洞穴地帯(希望を見つける)
2レベル:氷地帯(行動的になる)
3レベル:火山地帯(激しい感情と向き合う)
4レベル:山岳地帯(問題を解決する)
5レベル:低湿地帯(認知の再構築、役に立たない思考に気づく)
6レベル:橋梁地帯(否定的な思考から抜け出す)
7レベル:渓谷地帯(ストレスの対処法、助けの求め方を学ぶ)
これは本当に素晴らしい試みですね。僕も心の病を患っていたことがありますし、現在は心の病を患っている方にアドバイスをしたりもしています。
そして、数年前に「ゲームで楽しく治療できたらみんなやるのにな~」と思ったことがあります。心の病の治療法って面倒だし、効果があるかどうかよくわからないので、なんだかんだでみんなやらないんですよね。
そんな僕の夢想を現実化したものがあったとは、世の中は広いですね。しかも、精神科医がリーダーとなってしっかり作っているというのがこれまたビックリです。
日本ではこれほどユニークなことができる風土はないですもんね。「病気=医者が治すモノ」「病気=堅苦しいモノ」といったイメージしかなく、素人は黙っていればいいという空気がまだまだ医者にも、患者にもあります(多少はマシになってきましたが)。
寛解率43.7%が示しているようにゲームが治したっていいんです。だったら患者が自分自身で治したっていいでしょう。
ただ、ゲームと医師(対面での治療)がほぼ同率の治療効果というのは、なにか考えさせられるものがあります。