オリンピックの強化スタッフを務めたこともある管理栄養士の川端理香さんが、カップラーメンの本質にズバリと切り込んだ記事が秀逸です。カップラーメンの良さを認めつつも、そこにある確かな問題点を指摘しています。
http://dosports.yahoo.co.jp/column/detail/201505260001-spnavido
さらにカップ麺が「体に良くない」と言われる要素は、スープに含まれる多量の塩分と、カロリーと脂質の高さです。
カップ麺の成分表を見てみれば、それは一目瞭然。中にはカップ麺1つで600kcalというものもあります。例えば1日の理想の摂取カロリーが1200kcalの女性の場合、想像するだけでも十分なほどのカロリーを取ってしまうのです。カップ麺はコンパクトなので、1個食べてもそれほどカロリーを摂取していないように思われますが、インスタント麺の中には一度油で揚げているものもあり、さらに、調味油を追加するものもあります。
最近は具材に野菜を使うものも増えてきましたが、それでもまだ少なく、ほとんどのカップ麺が乾燥させたシーフード類や肉類、刻みねぎなどが少量入っているだけですので、エネルギー以外の栄養素はほとんど摂取できません。少し大げさに言うならば、太るためだけに食べる食品、と言っても過言ではないのです。
カロリー超過と同様に、取り過ぎが心配されるのは脂質と塩分です。普段からスポーツをする方々は、運動で汗をかくので多少の塩分は必要ですが、とはいえ取り過ぎるのはよくありません。カップ麺のスープを飲むならば、半分で十分過ぎる量の塩分が含まれています。塩分を取り過ぎると、腎臓に負担がかかり、むくみや疲労感が生じます。腎臓は水分を代謝する臓器です。ナトリウムと同時にカリウムを同じぐらい摂取すれば、余分なナトリウムを体外に排出してくれるのですが、野菜や海草類に含まれるカリウムをカップ麺だけで取るのは難しいです。
体脂肪を気にする人は、カロリーだけでなく脂質の量も意識する必要があります。カップ麺の中に天ぷらやカレーが用いられているものは脂質が高い。加えてカップ麺の具材に使用されているものは酸化され、古くなっているため、あまり良い質とは言い難いです。酸化された油を摂取しすぎると、花粉症や肥満を招くだけでなく、体臭にも影響があるという報告もあります。カロリーだけでなく、脂質が高いものは選ばない習慣づけが大切です。
こういった話は、知ってる人はとことん知ってるんだけど、知らない人は全然知らないんですよね。で、知らない人は気にせずどんどん食べて健康を損ねてしまいます。
僕も若い頃は全く食べ物の質に興味がなくて、簡単に手に入ってすぐに食べられるものばかり食べてました。