半世紀以上も昔に出版されたジョージ・オーウェルの「1984年」がAmazonでベストセラーになった理由は?
「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」にも選ばれた1949年出版のジョージ・オーウェルの著書「1984年」が、2017年になってAmazonの書籍ベストセラーで1位の座に輝きました。
ジョージ・オーウェルの「1984年」は全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いた作品です。ドナルド・トランプ新大統領の顧問であるケリーアン・コンウェイ氏がインタビューで「Alternative Facts(代替の事実)」というフレーズを使ったのですが、この言葉は「1984年」を連想させるフレーズだったことから、「1984年」がAmazonの書籍ランキングで上昇し始め、1949年の名書が2017年になってベストセラー1位をゲットするという現象が発生したとのこと。
コンウェイ氏は明確に「1984年」について言及したわけではないのですが、 CNNの討論番組でWashington Postの記者が「『Alternative Facts』はジョージ・オーウェルのフレーズだ」と述べたことや、別のCNNの番組で政治史学者のアラン・リヒトマン氏が「これは『1984年』の『二重思考』につながります」と言及しています。その後Twitterでも「Alternative facts」がトレンドワードに上がったことなどが、「1984年」の売上の上昇に影響したと見られています。
なお、CNNは「1984年」が多くの学校で必須教材とされていることから、トランプ新大統領チームの発言だけでベストセラーになったわけではないと予想しています。
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以下ネットの反応。
ジョージ・オーウェルのディストピア小説「1984年」。アメリカでは、トランプ大統領登場によってこういう作品がベストセラーになる。全体主義の危険性に対する米国民の感度の高さが羨ましい。対照的に極東某国の国民の鈍感さが思い起こされる。
https://t.co/xhDWwnHbnJ— m TAKANO (@mt3678mt) 2017年1月26日
トランプが問題あるのを前提としても、オーウェルの『1984』とトランプの政治って、あんまり関係ないんじゃないの?
— 樫原辰郎 (@tatsurokashi) 2017年1月26日
【代わりの事実3】「代わりの事実」に関連してジョージ・オーウェル『1984年』がamazonで6位の売り上げを記録。オーウェルは共産主義の全体主義的傾向や情報管理社会を批判したが、今は「オルタナ右翼」への批判として読み替えられている。https://t.co/jWcvvKPJXa
— 金子勝 (@masaru_kaneko) 2017年1月26日
『1984』ジョージ・オーウェルを、読み返してみた。
今の日本にそっくり。
独裁国家が監視を張り巡らせて世論誘導し、独裁者「ビッグ・ブラザー」の正当性を強いる社会。
矛盾した二つの真実を受け入れる「二重思考」
まさに安倍!https://t.co/1ISOCz1p1D— 桐谷育雄 (@kiriyaikuo) 2017年1月26日
これは驚きました。オーウェルの小説「1984」が突如、米アマゾンのベストセラーに。トランプ大統領と側近たちの無茶苦茶な言い分が小説に描かれた監視社会を連想させたようです。とんだトランボノミクスです。https://t.co/TV4ToMfz5I
— 小川一 (@pinpinkiri) 2017年1月26日
オーウェル「1984」アマゾンでベストセラー1位。売り上げ9500%増、7万5000部増刷!すごい。いい本が売れるのはよいことだ。
大統領顧問のテレビでの「オルタナファクト(もう一つの事実)」発言でうなぎ登りになった、と。https://t.co/O0WOyntBlT
— 平 和博 Kazuhiro Taira (@kaztaira) 2017年1月26日
「1984年」的な世界は、今までのアメリカ(今の日本)だと思うんですけどね。上手いこと手なずけて、思考力をなくし、搾取されるだけでしたもんね。しかし、アメリカには反発する力があったわけですよね。
「1984年」が「アメリカでは多くの学校で必須教材」とは知りませんでした。「1984年」読むとかなり疑い深くなりますもんね(笑)
日本は普通に生きていれば情報への接し方(リテラシー?)なんて一生学びませんから下記のような結果になってしまうんですよね。
でも、20数年前までは日本もある程度はまともだったんですね。戦時の経験や戦前のインテリ気質が残っていたからなんでしょうか?それとも豊かだったから学ぶ時間もあった?