2週間の食事の変更であっという間に腸内細菌叢が変化し、大腸がんになりやすい体になってしまうというショッキングな報告がオンライン科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ2015年4月28日で報告された。
報告したのは、米国ピッツバーグ大学医学部を含む、英国、フィンランド、南アフリカ、オランダの国際共同研究グループである。
http://www.mededge.jp/a/canc/12752
大腸がんの少ないアフリカの人に、2週間だけ食べものを変えてもらったところ、またたく間に大腸がんになりやすい腸の状態に変わってしまった。
研究グループは、50~65歳のアフリカ系米国人と南アフリカの農村地域の住民20人ずつに、ピッツバーグ大学とアフリカの施設に宿泊してもらい、食事のパターンを取り替えてみた。
がんリスクに影響を及ぼす喫煙などの要素がない環境で、それぞれの食材と調理法を使って準備した食事を交換して2週間食べてもらうというものだ。 南アフリカの田舎の人については、高線維で低タンパク質の食事から、「西洋風」の食事に、つまり低繊維で高タンパク質、高動物性脂肪の食事に変更し、アフリカ系アメリカ人にはその反対を行った。
その結果、劇的な変化が見られた。
米国人の方は腸内の炎症レベルが下がり、がんのリスクと関係する化学物質が低下。アフリカの人は、がんに関係する計測値が劇的に増加した。
逆に言えば、大腸がんのリスクを減らそうと思えば、食事については内容を変えると思いのほか早期に成果は出てくるというわけだ。決して遅すぎるということはなさそうだ。
これは、大腸がんを治療している人というか病気の人全員、もっと言えば西洋文明に侵されている人全員に見てもらいたい実験結果です。
やはり、「医食同源」食べ物が病気に及ぼす影響は限りなく大きいということです。
たった2週間で腸内細菌叢が劇的に変わってしまうのですから、それを年単位で続けたら病気が増えるのも当然の話ですよね。
毎日の食生活を見直そうという強いきっかけになる、とてもとても良い実験だと思います。