以前は「牛乳はカルシウムの宝庫だからたくさん飲むべきだ」という意見がほとんどでした。僕も子供の頃は牛乳ばかり飲んでいたものです。ですが、最近「牛乳は体に悪い」という話がよく聞かれます。DMM.comの6月6日の記事でも「え?女性は1日3杯以上牛乳を飲むと、20年以内に死んでしまう!?」というタイトルで牛乳を批判していました。
http://dmm-news.com/article/975195/
栄養価が高く、健康に良い飲み物として信じられている牛乳ですが、女性の場合は飲み過ぎると、健康を害し早死にする可能性が高くなるという研究結果が発表されました。
スウェーデンのウプサラ大学が中高年の男女10万人を対象に行った研究によると、牛乳を1日3杯以上飲んでいる女性が20年以内に死んでしまう確率は、牛乳を1杯以下しか飲まない人の2倍も高かったのです!そして、牛乳を飲む量が1日に1杯増えるごとに、その確率は15%増すのだそうです。
さらに、それだけでなく、骨粗しょう症になるリスクが高くなることも分かりました。犯人は牛乳に含まれるガラクトースで、酸化ストレスと炎症を起こしやすくし、死を早めてしまうのだそうです。
牛乳が死を早めてしまうなら、チーズやヨーグルトなどの乳製品ではどうなのか気になりますよね?研究者によると、乳製品にはガラクトースはほとんど含まれておらず、牛乳とは対照的に乳製品を毎日摂っている女性の死亡率や骨粗しょう症になるリスクは少なくなったのだそうです。
カルシウムなどの栄養分が豊富な牛乳の飲み過ぎが骨粗しょう症や早死にの原因になってしまうなんて、意外ですよね?牛乳は飲んでいないから大丈夫!と思っているあなた。スムージーやカプチーノ、ラテなどにもたくさん牛乳が含まれていますので、くれぐれも飲み過ぎには気を付けてくださいね!
http://www5f.biglobe.ne.jp/~hni/n-topics/year_on_year/epi_topics2014/epi141222-101.htm
研究チームは、「乳糖の含有量が高い牛乳の多量摂取が酸化ストレスを増加させ、それが死亡や骨折のリスクに影響を及ぼす」という仮説を立て、スウェーデン人を対象とした2つの大規模調査のデータを分析することにしました。
研究者らは、“The Swedish Mammography Cohort”に参加した61433人の女性(39~74歳)と、“The Cohort of Swedish Men”に参加した45339人の男性(45~79歳)を対象に、食事やライフスタイル(※2)についてのアンケートを実施しました。その被験者のデータを基に、牛乳の摂取による死亡率や骨折のリスクへの影響を追跡(女性約20年間、男性約11年間)しました。追跡期間中の死亡者数は、女性が15541人、男性は10112人でした。また骨折者数は、女性が17252人(うち股関節骨折は4259人)、男性は5066人(うち股関節骨折は1166人)でした。
女性の場合だけ早死にする可能性が高まるというのが不思議ですよね。牛乳のどういった成分が原因で、どういった死に方をする人が多いのかということは最低限知りたいところです。
一応仮説ではガラクトース(乳糖)が酸化ストレスを増加させるとなってますが、このウプサラ大学の研究ではガラクトースが女性の死因を上げることになったのかはわかりませんし、男性の死因を上げないことにも納得がいきません。
女性の死因を牛乳が上げているとすれば、「インスリン様成長因子1」(insulin-like growth factor 1、IGF-1)や牛成長ホルモン(rBGH)のほうが気になってしまいます。アメリカと違ってスウェーデンでは牛成長ホルモン(rBGH)が使われていないのかも知れませんが。
とにかく、今回のウプサラ大学の実験結果で「え?女性は1日3杯以上牛乳を飲むと、20年以内に死んでしまう!?」とか「ガラクトースが犯人!」というような結論に達してしまうのは、いささか飛躍がありすぎるかと思います。まDMM.comの記事だから、何でもいいのかも知れませんが・・