伊藤園と筑波大の「1日1本の野菜ジュースでうつや不安が改善されることを確認した」という趣旨の共同研究が「Journal of Family Medicine and Community Health」に掲載されたほか、6月4日に開催された「WPA Regional Congress 2015」で発表されました。
http://www.zaikei.co.jp/article/20150609/253330.html
伊藤園は9日、筑波大学(医学医療系・磯部和正講師)との共同研究で、野菜汁100%飲料およびビタミン強化型の野菜・果実ミックスジュースの継続的な摂取による抗抑うつ・抗不安効果について確認したと発表した。
抑うつぎみ(抑うつ尺度=BDIスコア=11点以上、状態-特性不安尺度=STAIスコア=レベル3以上)である健常な25~60歳の男女60名を、野菜汁100%飲料を1日1本摂取する群、野菜・果実ミックスジュースを1日1本摂取する群、飲料を摂取しない群の各20名ずつに分け、コントロール群以外の2群には飲料を12週間摂取してもらった。摂取前と4、8、12週間摂取後に被験者のBDIスコアおよびSTAI-1スコア(状態不安)、STAI-2スコア(特性不安)を比較した。
その結果、BDIスコアでは、摂取前と比較して野菜汁100%飲料群および野菜・果実ミックスジュース群で12週間摂取後に有意な低下(改善)が確認され、特に野菜汁100%飲料群ではコントロール群と比較しても有意な低下(改善)が確認された。STAI-1では、摂取前と比較して野菜汁100%飲料群で4週間摂取後、12週間摂取後に有意な低下(改善)が確認され、野菜・果実ミックスジュース群で12週間摂取後に有意な低下(改善)が確認された。
また、STAI-2では、摂取前と比較して野菜汁100%飲料群で12週間摂取後に有意な低下(改善)が確認され、野菜・果実ミックスジュース群で8週間摂取後、12週間摂取後に有意な低下(改善)が確認された。
これらにより、野菜汁100%飲料、ビタミン強化型の野菜・果実ミックスジュースの継続的な摂取により抑うつ度、不安度が有意に改善されたことが示唆されたとしている。
http://news.mynavi.jp/news/2015/06/09/278/
これまでの研究で、うつ病を発症している人は発症していない人に比べて野菜の摂取量が少ないことが報告されている。これは野菜に含まれるカロテノイドやビタミンなどの成分を十分に摂取することで、うつ病の発症リスクが低減されるためと考えられている。
今回の研究では、毎日の食事に加え、野菜汁100%飲料またはビタミン強化型の野菜・果実ミックスジュースで野菜の栄養を補うことで、抑うつ状態・不安状態を改善できるかどうか検証するため、臨床試験を実施した。
同社は「野菜汁100%飲料、野菜・果実ミックスジュースを継続摂取することが、ストレスなどによる軽度の抑うつ状態や不安状態の改善に有効であると考えられます。今後は、メカニズムの解明に向けてさらなる研究を進めてまいります。」とコメントしている。
ネットのコメント欄を見ると「結果ありきの研究」などと言った冷めたコメントが出ていました(コメント自体も少ないです)。確かに「機能性食品」がスタートしたことで、この研究を持って「うつに効く野菜ジュース」とか言い出しそうで恐ろしいところはあります。
ただ、精神疾患にも食べ物は重要で、その中でも野菜と魚がポイントと僕は考えているので、効果はあるんだろうなと思います。これも、変なモノが入ってなくて新鮮な野菜ジュースならというお話ですから、自動販売機なんかで売ってる野菜ジュースではまず効果はないでしょうね。