激増している子供の神経発達障害(自閉症・ADHDなど)は、化学物質と大きな関係があるというショッキングな報告がEnsia.comにエリザベス・グロスマンによって報告されました。
子どもの脳に化学物質が与える深刻な影響 http://jp.globalvoicesonline.org/2015/07/02/36639/
2015年2月16日、目を疑う数字が発表された。米疾病対策センター(訳注: 以下CDC)によると、アメリカで2006年から2008年の間に発達障害と診断された子どもは、10年前と比較して約180万人以上多いという。この間に、自閉症の患者数は300パーセント近く増加し、ADHD(注意欠陥・多動性障害)は33パーセント増加している。また同センターの統計によると、アメリカで生まれる全ての赤ん坊のうち10から15パーセントが何らかの神経発達障害を持つという。神経障害と診断されない程度の障害を持つ子どもたちはさらに多い。そして、これはアメリカのみに留まらない。世界中の何百万という子どもたちがこうした障害の影響を受けている。数があまりに多いため、内科医であり、この分野の権威である南デンマーク大学およびハーバード大学T・H・チャン・スクール・オブ・パブリック・ヘルスのフィリップ・グランジャンと、ニューヨークのマウント・サイナイ・アイカーン医科大学のフィリップ・ランドリガンは、現状を「パンデミック」という言葉で表現した。
科学者たちはこの30から40年来、子どもや乳幼児は成人に比べ、遥かに科学物質による悪影響を受けやすいというという事実を次々に発見している。
脳の発達への影響が調査されている化学物質のうち多くが、健康な脳の発達に不可欠なホルモンの働きを阻害するとみられている。
空気中の汚染物質が早期の神経発達や神経行動に僅かながら重大な影響を及ぼすとする調査報告は日ごとに数を増している。
「合衆国民全員が汚染されていると言っても過言ではない」―ロビン・ワイアット
この上なく繊細な脳の発達過程を守るためには、化学物質のリスク評価や安全基値の設定に使用されている現行の基準値は役に立たないとコリースレヒタは言う。
いま、私達は発育を阻害する神経毒物について多くのことを知ってはいるが、そういったものに曝される機会は以前にも増して発生している。そして、このような汚染が世界中の子どもたちに害をもたらすという点で、多くの研究者の意見が一致している。
「私にとって明白なのは、将来の優秀な頭脳をしっかりと守るために新しいシステムを構築する必要があるということだ」とグランジャンは言う。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/titeki/
最近の風潮としてすぐに自閉症やADHDと決めつけてしまうということがありますが(製薬会社の大キャンペーンにより)、それにしても「アメリカで生まれる全ての赤ん坊のうち10から15パーセントが何らかの神経発達障害を持つ」というのは異常な数字です。「パンデミック」と評されるのも頷けます。日本でも子供の数は減り続けているのに、特別支援学級に通う子供の数は増え続けています。
そして、自閉症やADHDの増加に、化学物質が影響しているのではないかという話を日本でも聞いたことがあります。日本と韓国は単位面積当たりの農薬使用量が世界一位・二位なのですが、自閉症などの発達障害の数も人数当たりに換算すると世界一位・二位らしいのです。
化学物質と神経発達障害の因果関係が証明される日は来ないかも知れませんが、「疑わしきは」の心構えでできる限り避けた方が賢明でしょう。